2010 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄における引揚体験の記憶と意味の構築-台湾、満州、南洋群島、フィリピンを中心に
Project/Area Number |
22530553
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
野入 直美 琉球大学, 法文学部, 准教授 (90264465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蘭 信三 上智大学, 外国語学部, 教授 (30159503)
飯島 真里子 東京純心女子大学, 現代文化学部, 講師 (10453614)
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Keywords | 引揚げ / 沖縄 / 台湾 / 満州 / フィリピン / 生活史 / 記憶 / 旧南洋群島 |
Research Abstract |
1)台湾:日本本土と琉球列島への引揚げと定着の実態を明らかにした。 ・厚生省援護局編『引揚げと援護三十年の歩み』(1978年)や河原功監修『台湾引揚・留用記録』(1997・1998年)など、日本で出版されている資料から、データを収集した。 ・沖縄県公文書館が保管する米軍の引揚関係資料と、沖縄県内の地方自治体が出版した『市史』、『村史』などに所収されている引揚関係の資料を整理した。 ・台湾の国史舘文献館が所蔵する『台湾省行政長官公署資料』などの台湾側の資料を収集し、日本側の資料との照合を行った。 ・沖縄県内の台湾引揚者団体が開催する親睦行事に参加し、参与観察を行った。 2)満州:沖縄出身の満州引揚者への聞き取り調査と、沖縄における戦争の記憶と植民地の記憶に関する文献調査を行った。とりわけ、満州の大都市移住者について中心的に聞きとった。 3)南洋群島:従来、沖縄県市町村史、字誌の聞き取り調査では対象とされることが少なかった、沖縄県本島北部出身者、慶良間諸島など離島出身の漁業者、現地住民と沖縄出身者との間に生まれた混血の人びとを主な対象として聞き取り調査を行った。また、これまで調査を行った101名の方々を対象に、追加調査を行った。 4)フィリピン:引揚者のインタビュー調査と、沖縄県史・市町村史からのデータ収集を行った。また、沖縄ダバオ会による沖縄・フィリピンでの慰霊祭、「里帰りツアー」の参与観察を行い、引揚者団体の活動を把握した。
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Research Products
(3 results)