2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530557
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
野畑 眞理子 都留文科大学, 文学部, 教授 (00198607)
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Keywords | ダイバーシティとインクルージョン / ダイバーシティ・イニシアティヴ / スポンサーシップ / ステイクホルダー / 米国例外主義 / 公民権法 / アファーマティブ・アクション |
Research Abstract |
1.平成23年度は8月に3週間かけて米国の5機関(州政府および企業)を訪問し(6機関の予定であったが1社が直前にキャンセル)、おもにダイバーシティ担当者を対象に聞き取り調査を実施した。各機関1~2時間の聞き取りを行い貴重な情報を得ることができた。 2.ある組織の人事部門では、機会の平等と労働力の多様性(ダイバーシティ)を促進するために、いまもなおアファーマティブ・アクションに熱心に取り組んでいた。その下部組織では、一部、ダイバーシティに取り組んでいた。この事例から、人事部門とダイバーシティ担当部署との組織上、指揮命令上の関係、および各オフィスの職能などを確認することが必要だと分かった。 3.ダイバーシティとインクルージョンを促進するために多様な取組が実施されているが、その中でも現在、スポンサーシップが注目されていることが分かった。類似のプログラムとして、メンターやコーチングがあるが、女性やマイノリティの昇進を確実にし、ガラスの天井を打ち破るためには、スポンサーシップが欠かせないと考えられている。 4.ダイバーシティとインクルージョンは、往々にして、管理職や専門職だけを対象にした取組のように思われるが、工場の時給労働者も就業時間中にプログラムへの参加が認められている事例が.あり、決して管理職や専門職だけの活動と考えられているわけではないことが分かった。 5.ステイクホルダーについては一般に、CEOなど経営層の理解とリーダーシップの重要性が指摘されるが、人事部門やダイバーシティ部署の管理者層が、非常に重要なステイクホルダーであった/あることが明らかになった。とくに、それらの職務に携わる女性の比率が増加し、彼女たちは、自分たち自身の問題として、また、人事やダイバーシティの専門家として、ダイバーシティとインクルージョンをリードしていった/いるのである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3つの研究且的の中、第一および第二について、おおむね順調に現地調査と文献研究を平行して進めている。第三の研究目的については、最終年度である平成24年度に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に変更はない。今年度が、本科研の最終年度であり、第三の研究目的を現地調査と文献研究によって明らかにする予定である。
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Research Products
(1 results)