2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530579
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
坂田 正顕 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00063800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 攻一 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10120908)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 巡礼 / グローバル化 / 文化変容 / ハイブリッド / グローバルスピリテュアリティ / 普遍主義 / 個別主義 |
Research Abstract |
本研究においては、まず、グローバル化がいや増す現代日本において「内に向かうグローバル化」の位相に着目し、日本巡礼文化の典型例である四国遍路文化を事例に取り上げ、いわゆる巨大巡礼文化において進展しつつあるグローバル化の主要局面を実証的に明らかにすることである。さらに、事例研究をもとに、グローバル化による一般的な巡礼文化の変容過程モデルに関する知見を導出することである。 研究計画に沿って、①外国人遍路および日本人遍路に対する量的調査、②遍路文化に関係する地元地域社会の諸団体や諸個人を対象とした質的調査をそれぞれ実施した結果によれば、グローバル化による四国遍路文化の各領域での多様な変容動向が実証的に確認された。 たとえば、グローバルな水準におけるスピリテュアリティの傾向を強く持つ外国人遍路には、四国遍路文化を日本文化の原点理解の入り口としての意義づけをするものが多い。しかし、他方では、四国遍路文化がもつ際立つ「海洋性」の特徴にはほとんど関心を持たない傾向が見て取れる。これは、いわば、小さな矛盾といえるし、同床異夢の諸現象ともいえる状況である。しかし、他方では、異色ともいえる厚い接待習俗や豊かな日本的自然などへの際立つ高評価に関しては、日本人遍路と全く同様である。言い換えれば、普遍的側面と個別的側面が入り組んでダイナミックに同時進展しているのが実情である。 もちろん、こうした問題は、四国遍路文化に固有の問題として色濃い側面もあるが、他方では、程度の差こそあれ、これらの知見は、その他の日本巡礼諸文化の将来をも見定めるうえで重要な手がかりあてえてくれるものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)