2011 Fiscal Year Annual Research Report
墓制の変遷からみた家族とコミュニティの変容に関する研究
Project/Area Number |
22530582
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
安藤 喜代美 名城大学, 人間学部, 准教授 (60367745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮嶋 秀光 名城大学, 人間学部, 教授 (50200176)
伊藤 俊一 名城大学, 人間学部, 教授 (50247681)
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Keywords | 墓制 / 直系制家族 / お墓の継承 / 人口動態 / 流動化 |
Research Abstract |
本研究では墓地の継承に着目し、団塊の世代以前、いわゆる「多産少死」の世代が高度経済成長期に出身地を離れ、都市部で新たに核家族を形成していったその流動性の中に問題点を見出した。団塊の世代におけるお墓の問題は、将来における後続世代の家族の形態やあり方を推測して行く上でも、重要な意味をもっており、彼らの墓制に対する選択が「脱継承墓」ではなく、従来の伝統的で直系家族的な墓制を選択することも十分に考えられる。その一方で、今だ継承者が定まらないお墓が出身地にはある可能性も否めない。そこで、23年度は、名古屋市内の少々はずれにある天白区の大坪学区の住民に対し、かれらの「流動性」に注視しアンケート調査を実施した。 本調査は大坪学区の2,100世帯に対しアンケート票を学区の町内会を介して配布し、郵送で回収を行った。2か月ほどの回収期間を設け、838の回答を回収した。調査の主たる目的は「多産多死」世代の流動性を検証することとし、3世代の住居移動を調査した。質問項目において回答者の一世代前の出身地、本人の出身地を尋ねることにより、現在の住居地である天白区の3地点を結び、その移動の実態を明らかにすることとした。この「流動性」は、同時に家族とコミュニティとの結びつきという視点とも連動する。世代を跨いで一つの地域に住み続けていれば、コミュニティとの関係性も強いであろうし、流動的に世代が動いていれば、それは薄れることになると仮定できる。23年度はこの調査の実施、回収した質問票の整理、データ入力、そしてそのデータの概要を把握し、分析のための下準備が完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
22年度には寺院への聞き取り調査と子どものいない中年以降の夫婦に対しての聞き取り調査を終了し、23年度には名古屋市天白区大坪学区の住民に対するアンケート調査(2,100部配布)も終了し、予定していた調査は完了することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
予定していた家族と墓制に関する調査が終了したため、今年度はこれらの調査結果を分析し、報告書としてまとめる。
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Research Products
(1 results)