2011 Fiscal Year Annual Research Report
被差別地区出身者と在日コリアンのひとり親家族の複合差別と排除に関する実証研究
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22530592
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
神原 文子 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (50186178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊本 理抄 近畿大学, 人権問題研究所, 准教授 (80351576)
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Keywords | ひとり親家族 / 被差別地区出身 / 女性 / 複合差別 / 社会的排除 |
Research Abstract |
ことの差別や排除、女性であることの差別や排除が、離婚や非婚によるひとり親家族となったこととどのように関連しているのか、さらに、離婚や非婚によるひとり親家族となったことが、当事者の日常生活にどのような影響をもたらしているのかという点について、生活者の視点から解明することを目的として、アンケート調査とインタビュー調査を実施した。 (1)大阪、福岡、徳島において、被差別部落出身のシングルマザーを対象に、アンケート調査を行った。 ・部落解放同盟女性部の協力を得て、4月から6月にかけて、アンケート調査項目の検討を行った ・7月から8月にかけて大阪でアンケート調査を実施し、有効回収数255名。9月から10月にかけては福岡で実施し、有効回収数200名。2月に徳島で実施し、有効回収数22名であった。 ・アンケート調査票が回収された後、大阪と福岡については、12月末までに学生のバイト等によりデータ入力作業を行い、基礎分析を行い、3月10日に福岡で、3月26日に大阪で中間報告会を催した。 (2)アンケート調査のなかで、より詳細なインタビューに協力してくださるという方々を対象に、インタビュー調査を実施した。 ・2月~3月にかけて、福岡6名、大阪4名にインタビュー調査を実施した。 ・これから文字起こしを行う。文字起こしをした第一次データは個人情報が含まれるため、その扱いには特別に注意を払う。 ・22年度中に実施したインタビューデータと合わせて、分析作業を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)当初の計画にもとづき、大阪、福岡、兵庫の代わりに徳島、鳥取で、被差別部落出身のシングルマザーを対象にアンケート調査を実施し、約500名の協力を得て、データ入力まで終えることができた。 (2)被差別地区出身のひとり親家族の親と子どもたちを対象に20名分のインタビュー調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)アンケート調査の集計・分析作業を行うとともに、既存の被差別部落の女性調査の結果と比較し、特徴を明らかにする。 (2)インタビュー調査のデータを読み込み、アンケート調査結果と関連づけるのみならず、アンケート調査では捉えきれない当事者の声を拾いあげる作業を行う。 (3)被差別部落のシングルマザーと子どもたちが被ってきた複合差別について特徴を捉えたうえで、一般化を図ることが本研究の目指す方向である。
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Research Products
(1 results)