2012 Fiscal Year Annual Research Report
ALS患者の役割認識の変化―あきらめる役割.残る役割.新しい役割―
Project/Area Number |
22530599
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
隅田 好美 大分大学, 福祉社会科学研究科, 教授 (90377185)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 障害受容 / 家族役割 / 社会役割 / アイデンティティ / 筋萎縮性側索硬化症 |
Research Abstract |
本研究は筋萎縮性側索硬化症の精神的支援の1つとして「役割認識」に焦点をあて、専門職としての支援を検討することを目的とした。24年度は病状告知直後の患者の役割認識の変化について検討した。調査は4名のALS患者に実施した。2名(患者A.B)は病状告知後から継続的に調査を実施した。また、比較のため人工呼吸器を装着た患者2名(患者C.D)に1回のみ実施した。調査は新版 STAI 状態-特性不安検査(STAI)、SEIQoL-DW、モーズレイ性格検査(MPI)、勤労者のためのコーピング特性簡易尺度(BSCP)を実施した。 STAIの「状態不安」と「特性不安」は、低不安(1段階、2段階)または普通(3段階)であった。SEIQoLでは告知後1か月のA 55.7、B 22.8、TPPV4年のC 58.6、TPPV13年のD 75.4であった。全調査で「家族」「こども」が生活の質に大切なCueとして挙げられた。家族の充足度は独居のBは70%で、同居の3名は100%であった。社会役割・社会とのつながりについて、Aは第1回、第2回が0%で、第3回が4.7%であった。MPIでやや外交的な性格であったAは「友人」をCueとして挙げた。第1回と第2回は外出困難となり友人に会えないことで充足度は0%であったが、第3回ではデイサービスの利用を開始し65%と上昇した。社会とのつながりに関するCueはBの1回目の調査ではなかった。Cは14.5%で友人とメール交流を行っていた。Dは社会とのつながりのほかに社会役割のCueが挙げられ、併せて20.0%であった。Dは専門職や学生への講演を行っていた。楽しみのCueは、発病前のイメージで語っていたAの第1回が22.8%であった。それ以外の楽しみのCueは、AとBが1%前後で、Cは7.8%、Dは29.0%であった。 病状に関係なく家族がQOLを高める可能性は高く、身体状況が安定することで社会とのつながりや楽しみが占める割合も増加する可能性が高い。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)