2011 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルワークの固有性にねざした独立型社会福祉士の開業システムの構築
Project/Area Number |
22530636
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Research Institution | Doho University |
Principal Investigator |
小榮住 まゆ子 同朋大学, 社会福祉学部, 講師 (60509206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 義弘 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 教授 (40078944)
安井 理夫 同朋大学, 社会福祉学部, 教授 (30329677)
西内 章 高知女子大学, 社会福祉学部, 准教授 (80364131)
長澤 真由子 広島国際大学, 医療福祉学部, 講師 (20446024)
御前 由美子 和歌山信愛女子短期大学, 保育科, 講師 (60615110)
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Keywords | 独立型社会福祉士 / 開業システム / ソーシャルワークの固有性 / 研修プログラム / 高度専門職 / ジェネラル・ソーシャルワーク / 社会福祉援助技術 |
Research Abstract |
平成23年度の研究目的は、インタビュー調査による質的研究を実施し、独立型社会福祉士の専門性や固有性について具体的な提示と、独立型社会福祉士の高度専門性を確立(ソフト面)するための特性を見出すことにある。そのため、独立型社会福祉士に加え開業する臨床心理士・弁護士に対し、(1)独立開業に至るまでの経緯、(2)独立開業の状況、(3)教育・研修の状況、(4)職種・資格のアイデンティティの4項目と、他職種へは(5)独立型社会福祉士の認知度についてインタビュー調査を実施した。臨床心理士を対象(4事務所)にした調査結果では、(1)理想とするカウンセリングの実施、(2)費用対効果を重視しつつ自己のカウンセリング技術にみあった方法で業務を遂行、(3)経営戦略と関係機関との連携、カウンセリング技術に関する研修等、(4)精神分析的な視座、(5)独立型社会福祉士への認知度はゼロであった。弁護士を対象(2事務所)にした調査結果では、(1)弁護士の開業形態や受任案件の多様性、(2)職能団体である日本弁護士連合会の現状と会員への支援体制(研修制度など)、83)独立型社会福祉士について認知しているだけでなく実際の業務でも連携が進んでいる点が明らかになった。独立型社会福祉士を対象(4事務所)にした調査結果では、(1)理想とするソーシャルワークのビジョンをもち開業しているが必ずしも共通ではない、(2)他職種等が独立型社会福祉士に求める固有の役割や領域が極めて限定的であり、業務もそれに準じたものにならざるをえない、(3)他職種及び同職種間の連携や組織化が進み、対処療法的な研修等ばかりである、(4)アイデンティティの意識は多様であることがわかった。以上のことから、高度専門職としての独立型社会福祉士にはソーシャルワークの理論とそれにもとづく実践方法が必要であり、独立型社会福祉士の専門性の確立と開業促進のためにも、実践の根底となる共通のソーシャルワークの視野や発想に焦点をあてた研修プログラムの開発と実施が有効であると示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた独立型社会福祉士と隣接資格取得者との専門性・役割の比較において、予算削減の現状に鑑み、臨床心理士並びに弁護士の2職種に焦点化したインタビュー調査の実施を計画し実行した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は産休育休取得のため、25年度研究再開年には、独立型社会福祉士を対象に、現在、開発研究している教育研修支援ツールによるソーシャルワーク研修会を実施し、高度専門職としての独立型社会福祉士の姿勢や実践方法の確立にむけチャレンジするとともに、独立型社会福祉士の開業システムの構築について提案する。
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Research Products
(6 results)