2012 Fiscal Year Annual Research Report
リスク等数量情報を含むコミュニケーションで関与度や情動が態度変容に与える影響
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22530681
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Research Institution | 東京都市大学 |
Principal Investigator |
広田 すみれ 東京都市大学, 環境情報学部, 教授 (90279703)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ニューメラシー / 意思決定バイアス / 地震の確率予測 / 属性差 / ウェブ調査 |
Research Abstract |
平成23年度末に実施したウェブ調査の結果を分析した。具体的にはニューメラシーや写真による感情操作が複数の意思決定課題のバイアスにどのように影響するかを検討した。その結果、写真による感情操作は特に差が見られなかった。一方、Lipkusらの尺度を使ったニューメラシーレベルの測定とレベルによるバイアスの違いの検討では、1)ニューメラシーレベルは教育水準、年齢層、性別で差が見られ、教育水準では大卒とそれ以外で違いが、また年齢層では20代は他の年代より低いことが目立つ、2)意思決定課題ではいわゆる枠組み効果(Tversky & Kahneman,1981)などではニューメラシーによる差が見られず全体にバイアスが見られるものの、リンダ問題や分子効果、特に後者では有意差が見られた、3)さらに現実場面での確率情報に対する判断としての地震の長期確率の公表とその判断でも差が見られ、ニューメラシー低群では確率予測に対して不安がやや高い(p<.05)だけでなく、公表値が低く修正されると高群では安心感が増すが、低群ではかえって不安が増す(p<.01)ことが明らかになった。また、ニューメラシーによる違いではないが、因果関係の判断につながると思われる共変関係の判断課題では全体として確認事例の重視というバイアスが見られたが、特に女性や教育水準が短大以下の場合に有意に多く見られることが明らかになった。 ニューメラシーによって現実の地震予測に対する判断が異なっていることから、このような能力が現実社会でのリスクコミュニケーションの際の基礎として重要であることは明らかである。またニューメラシーの得点が教育水準によって異なることから見ると、ニューメラシーは教育によってある程度涵養されることも推測される。これらからみて本研究は、リスコミの社会的ベースとしてのニューメラシーの教育の重要性を明らかにしたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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