2011 Fiscal Year Annual Research Report
大学生のメンタルヘルスと発達障害に関する支援ニーズ把握質問紙の開発
Project/Area Number |
22530735
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
金子 稔 信州大学, 総合健康安全センター, 講師 (50571858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 知音 信州大学, 教育学部, 教授 (20291388)
山崎 勇 信州大学, 工学部, 助教 (80554576)
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Keywords | 発達障害 / 大学生 / ニーズ調査 / 学生支援 / メンタルヘルス |
Research Abstract |
本研究ではメンタルヘルスから発達障害に関するものまで、学生の幅広い支援ニーズを早期に把握し支援に結びつけることができるような、短時間で実施可能な質問紙を開発することを目的とする。具体的には、これまでメンタルヘルスのスクリーニングに広く用いられてきたUPIの改良版であるUPI-RSと、2種類の発達障害関連のニーズ把握質問紙を統合した短縮版を作成する。 平成23年度には、短縮版作成のための基礎データの収集を目的に、UPI-RSと発達障害関連支援ニーズ把握質問紙を実施した。UPI-RS(高橋・小林,2004)はメンタルヘルスのスクリーニングテストであるUPIを高橋・小林(2004)が4件法の評定尺度に改訂したもの。ASD困り感尺度(山本・高橋,2009)は自閉症スペクトラム障害関連の支援ニーズを把握するための質問紙。ADHD困り感尺度(岩渕・高橋,2009)は注意欠陥多動性障害関連の支援ニーズを把握するための質問紙であった。これらを、約2200名の信州大学1年生全員を対象に、総合健康安全センターが担当している授業(全1年生必修)を利用して、UPI-RSはオンラインで前期に全員を対象として、2種類の発達障害関連質問紙は前後期にわたって半数ずつの学生に実施した。質問紙において相談希望があった学生に連絡を取り、研究代表者である健康安全センター医師、カウンセラーが個別面接を行った。より正確なニーズ把握を行い、必要に応じて医療機関の紹介、継続面接を行った。 また、相談利用学生および自殺学生のUPIデータを検討することで、UPI-RS短縮版に含む項目の検討を行った。困り感尺度については主に相談希望の有無との関連から短縮版を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通り、2年目に短縮版の原案を作成することができた。なお、高等教育機関で短縮版への要望が多いことから、これまでの成果をふまえて困り感尺度の短縮版を含む実施マニュアルを作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、平成24年度は短縮統合版の試行版を実施することが可能となった。当初の予定を変更し、マークシート形式ではなく、オンライン入力形式での実施となった。回答率など、今後の学生の実施状況を見ながら、実施方法については継続的に検討する必要がある。
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