2012 Fiscal Year Annual Research Report
がん医療現場の臨床心理士とがん患者会の協働を促すコミュニティ心理学的試み
Project/Area Number |
22530741
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
兒玉 憲一 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10186702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 典子 広島大学, 保健管理センター, 准教授 (80335695)
栗田 智未 広島大学, 保健管理センター, 助教 (90467788)
荒井 佐和子 広島大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (20610900)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | がん医療 / 緩和医療 / 臨床心理士 / がん患者会 |
Research Abstract |
最終年度の本年度の主な実績は以下の3点である。第1に,前年度に行った全国のがん患者会(以下,患者会)の代表者対象の調査研究の成果を「がん患者会代表者のコミュニティ援助機能評価とベネフィット・ファインディングの関連」と題する論文で公表した。全国のがん患者会265団体の代表者に記名自記式質問紙を配布し,119名から回答を得た。臨床心理士との協働の有無,協働の形態や意義,臨床心理士の氏名等を明らかにした。また,患者会の援助機能に対する評価と心理的適応の指標との関連を検討した。第2に,上記119団体のうち協力の得られた35団体の参加者1350名に無記名自記式質問紙を配布し,573名から回答を得た。その結果,彼らが参加した活動内容の特徴,参加活動内容と会への援助機能評価との関連を明らかにした。第3に,上記調査で明らかになった患者会と協働している臨床心理士のうち立場の異なる5名に半構造化面接調査を実施した。がんを患ったことで臨床心理士を志し現在は患者会の代表を務めるA氏,かつてわが子ががんになったことで親の会に参加し現在も臨床心理士として多くの患者会と連携しているB氏,がんセンターの臨床心理士として小児がんの親の会の活動を積極的に支援しているC氏,臨床心理士としての長年の経験を活かして様々な患者会に専門ボランティアとして関与しているD氏,研究者として患者会に参加したのを契機に全国の患者会調査を行い各患者会の自己評価に役立つ研究を進めているE氏の5名である。5名は患者会への参加動機,会での立場等は異なるが,臨床心理士が患者会で果たす役割に共通した見解を示した。とりわけ「つなぎ役」として,患者と家族,患者と医療者,患者同士,患者と患者会等の間を裏方や黒子としてつなぎ,そこで成立した関係を下支えする存在であることが明らかになった。なお,3年間の研究成果を基にした協働マニュアルを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)