2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本における複雑性悲嘆のケア・治療システムの構築化に向けた課題の検証
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22530778
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
瀬藤 乃理子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (70273795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 幸弘 関西学院大学, 人間福祉学部, 准教授 (00368416)
黒川 雅代子 龍谷大学, 短期大学部, 准教授 (30321045)
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Keywords | 複雑性悲嘆 / 死別 / システム化 / 子どもの死 / 小児科医 |
Research Abstract |
本研究の目的は、死別後に悲嘆が複雑化した遺族(複雑性悲嘆)に対し、適切なケアや治療を提供するシステムを日本で作るための課題を検証することである。平成22年度は、死別の中でも、特に複雑性悲嘆になる危険性の高いとされる「子どもを亡くした遺族へのケアシステムの構築化」に焦点を絞ることを決め、まず小児科医に対し、現場の小児科医が実際に子どもを亡くした遺族のケアについてどのように考えているのか、どのように対応しているのかなど、小児科医の現状や実態、ケアへの意識について調査を行うこととした。約半年間かけて小児科医への予備調査を行い、アンケート項目を抽出し、調査用紙を作成した。調査用紙は、末期の時期や死別後の援助経験や配慮点、ケアに関する学習経験、複雑性悲嘆の用語の周知の有無、実際の関わりの有無、遺族援助を小児科医として行うべきかの意識、遺族支援に関する考え、などから構成されている。その後、ハイリスク児フォローアップ研究会の協力を得て、その研究会に属する小児科医307名に調査用紙を郵送し、うち112通の回答を得て、現在、集計段階に入っている。本年度は、計画書にも挙げた遺族ケアに関するカンファレンスも、日本臨床死生学会のシンポジウムの1つとして実施し、ほぼ予定通りに、研究を進めることができている。今後、引き続き、小児の難病などを扱う小児神経の専門医や小児がん専門医に調査を行うほか、リファー先となる精神科医や心療内科医に対し、子どもを亡くした遺族の診療の現状や実態、意識などに関して、郵送調査を行う予定である。
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Research Products
(17 results)