2010 Fiscal Year Annual Research Report
台湾・中国・香港・韓国における戦前・戦後の不良・犯罪少年の教育権の保障
Project/Area Number |
22530824
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山田 美香 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (90331610)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 敦 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (80322767)
|
Keywords | 群育学校 / 輔導 / 生徒指導 / 香港航海学校 / 明陽中学 / 高雄少年法院 / 少年輔育院 / 犯罪・不良少年 |
Research Abstract |
本年は、台湾では、台湾省政府档案センターで戦後の少年輔育院の歴史に関する公文書を調査し、戦後の不良・犯罪少年に関わる矯正教育の流れを研究することができた。以前少年刑務所であった明陽中学で収容少年の教育について、また桃園輔育院(少年院)でも同様に少年の教育県の保障について職員の方に話を聞いた。高雄では、一般の中学も訪問し、心理学の専門家がいるセンターが中学何校かで1校あり、そこで少年の心の問題について、また輔導(ガイダンス)専門の先生数人からその状況を説明してもらった。高雄警察署では、警察官から台湾の少年犯罪の状況について高雄少年法院では裁判官から、台湾の少年司法の特徴と犯罪少年を教育で矯正するという強い言葉をもらった。 香港では、犯罪・不良少年や家庭背景がよくない少年が宿舎で生活しながら勉強する特別支援学校の一つ、群育学校を3校(1校は通学生)訪問した。校長先生や教員と、生徒の問題点、指導上の苦労、さらに群育学校の意義について議論することができた。1990年代、学習動機に欠けた生徒が通った実用中学であった香港航海学校の先生にも、実用中学であった90年代と一般中学となった現在との違い、生徒指導の状況について話を聞くことができた。また、一般の中学を訪問し、薬物防止の授業の見学もすることができた。また、香港教育局学校行政及支援部訓育及輔導組で半日、香港、日本の生徒指導、ガイダンスに関する議論をした。その後、小学校を見学した。これらのことから、日本とは異なり、台湾、香港では、学校で問題行動を起こす不良少年、犯罪少年に対する支援が制度的に保障され、香港では、問題行動がある少年の教育を群育学校がになっている状況が分かった。しかし、それ以上に、予防教育や輔導活動も盛んで、少年の生活、学習に対する社会・教育支援はある程度機能していることが理解できた。
|