2011 Fiscal Year Annual Research Report
小学校区におけるソーシャル・キャピタルの構築に関する研究
Project/Area Number |
22530864
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
露口 健司 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (70312139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉本 哲男 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (30404114)
増田 健太郎 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (70389229)
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 信頼 / 学校 / 保護者 / 家庭 / ネットワーク / 授業研究 / 専門的コミュニティ |
Research Abstract |
平成23年度は、次の3つのソーシャル・キャピタル(SC)領域を対象とする研究を推進した。第1は、職員間ネットワーク領域である。この領域では、例えば、次のような事が明らかにされた。(1)評価に焦点を当てた学校改善は、子どもの教育効果に直接反映するものではなく、改善の過程で生じる様々な紐帯が、学力等の教育効果を高めていた。(2)職員間ネットワークの代理指標である専門的コミュニティは、日本の多くの学校において形成されている。しかし、専門的コミュニティが教員個々の授業改善に結合するのは、当該学校組織において校長がサーバントリーダーシップを発揮している状況下に限定される。校長がリーダーシップを発揮していない学校組織では、専門的コミュニティの形成が授業改善に結合していない。(3)専門的コミュニティを授業改善につなげる方法として、校長のリーダーシップの他に、校内研修(授業研究)がある。複数のリーダーが様々な人工物を活用して、授業研究を活性化する方法の記述に成功した。第2は、家庭SC領域である。個人レベルデータを使用した先行研究では、家庭SCと学力との有意な影響関係が見出されている。ところが、家庭SCと学力との関係を組織レベルデータで分析したところ、双方の間に有意な関係は認められなかった。組織レベルデータを用いて家庭SCと学力との関係を説明するためには、学校の組織活動を媒介要因として設定する必要がある。組織レベルデータでみた場合、子どもが他者と関わろうとする意欲及び規範意識が、学習意欲を高め、それが学力向上につながるというプロセスが解明されている。第3は、学校-保護者領域である。保護者が学校を信頼するためには、実は、保護者相互の紐帯が重要であるとする結果が、経年のサーベイリサーチによって明らかにされている。また、事例研究では、保護者相互の紐帯を強化するための実践を記述している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に予定していたサーベイリサーチがいずれも順調に実施されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、ソーシャル・キャピタル構築の具体的記述を行うために、複数の事例研究を実施する。
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Research Products
(9 results)