2010 Fiscal Year Annual Research Report
「通学区の変更」と「学校選択制度」が学校の規模と配置に与える影響の日米比較研究
Project/Area Number |
22530920
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
佐々木 司 山口大学, 教育学部, 准教授 (30263651)
|
Keywords | 通学区 / 学校選択制度 / 比較教育学 / 学校規模 / 学校配置 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「通学区の変更と学校選択制度が学校の規模・配置に与える影響の実相を、日米の事例研究によって明らかにすること」にある。研究初年度である平成22年度は、当初の計画通り、基礎的調査を精力的に行った。具体的には次の3点を実施した。 第1に、先行研究(特にアメリカのゾーニング、ゲリマンダーなど通学区の変更に関する文献)をレビューし、制度の全体像と課題の把握に努めた。 第2に、日本について、ある地方都市学区を7月から1月にかけて断続的に訪問し、そこに保管されているすべての教育委員会議事録を閲覧し、関係資料の収集を行った。この資料に基づき、同市における小・中学校の通学区の変更と学校配置に関する記録や議論の様子を整理・検討した。その成果の一部として、県住宅団地造成に絡む地番名称と通学区の不整合など同学区に特徴的なケースについて日本教育制度学会で発表した。教育委員会議事録に基づき、歴史的な事実として通学区の変更と学校配置問題の実態を詳細に明らかにした事例研究は多くなく、その点で研究上の意義を主張できる。 第3に、米国について、カリフォルニア州の3学区を対象に学区の歴史的史・資料を収集するとともに、3月には渡米調査を実施し、学区関係者、学校関係者から議事録、通学区地図、その他を入手した。また、渡米調査では通学区変更に関するプロセスや課題などについて直接関係者から情報提供を受け、その結果を整理・検討した。渡米調査に基づく具体的な研究成果の発表は23年度に行う予定であるが、選択制を採用している学校の存在はそれ以外の学校の所在地、学校配置にも影響を及ぼしていることを確認した。
|