2012 Fiscal Year Annual Research Report
移民研究と教育現場をつなぐ学習教材の開発―日系ブラジル人に関する「移民スゴロク」
Project/Area Number |
22530932
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
森本 豊富 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (30230155)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 移民学習教材の開発 / 日本人移民 / ブラジル / デカセギ |
Research Abstract |
移民学習、具体的には海外に渡航した日本人移民とその子孫に関する学習は、日本の小中高校でのカリキュラムではほとんど取り上げられていないのが実情である。日本の近代化の中で海外に渡航した「移民」に関しては、とかく否定的なイメージが先行しがちであるが、彼らが二国間関係や国際交流に果たした貢献は大いに評価されるべきである。また、日本にデカセギとして来日したブラジル人の若い世代は、景気の動向によって日伯間を行き来するが、その子ども達は二国間往来の過程で学業面、言語面、心理面において多くの課題をかかえている。しかし、一方で二国間の橋渡し役として成長し活躍している人材も徐々に増えている。 本研究では、日本人移民の歩みの跡を後生に伝えるために移民学習教材、具体的には「移民スゴロク」を作成した。スゴロクに限定したのは、①参加型の遊び感覚で自然に楽しんで学ぶことができる。②ボード(盤)ゲームの利点として、時間的、空間的に広範にわたる情報伝達が可能である。③移民スゴロクは世代を超えて楽しむことが可能であり、内容や難易度に変化を持たせることができる。以上の理由から、「移民スゴロク・ブラジル版」を開発した。 研究初年度には、ブラジル日本移民史料館と沖縄、広島、和歌山の移民関連施設での史料調査を行い、移民スゴロクに利用できる素材を収集した。それらの素材をもとに移民スゴロクの原型を作成した。2年目に実験校と海外移住資料館での試行的運用を経て、現場の声を参考にして改訂版を作成した。3年目には、実験校の他に南米諸国から来た日本語教師を対象としたJICA横浜での研修会でも利用し、自国に持ち帰ってもらった。 移民学習教材としての教育効果は現場教師、生徒の反応から効果のあることが明らかになった。また、海外の日本語学校での使用にも道が開けた。一方で、対象となる生徒のレベルにあわせた内容の教材作成に課題が残った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)