2010 Fiscal Year Annual Research Report
芸術教科と指導者の感性知-美術教育指導者の持つ潜在的な知と力量についての研究-
Project/Area Number |
22530956
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
相田 隆司 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20302903)
|
Keywords | 美術教育 / 指導者 / 題材 |
Research Abstract |
本研究は、美術教育指導者が題材発想・構築の際に発揮していると考えられる実践的な能力の様相を明らかにしようとするものであり、開始年度である平成22年度の研究目的はその方法の提出である。今年度の研究においては、先行する研究等から題材と指導者の課題意識等との関連、ならびに指導者の専門性の所在等についてさらに考察することの重要性が確認された。同時に、学校教育実践者と大学研究者への面接調査を通して、題材が実践者の価値観や履歴、個人的な経験等をもとに創案されている側面や、さまざまな研究会等への参加がもたらす価値観や方法等との出会いによってその質的な転機がもたらされている事実等を確認した。これらのことから、本研究は美術教育指導者と題材との関わりをまずその着想時、構築時、授業運営時に構造化して捉え、特に題材着想時と構想時における指導者の能力の様相を明らかにするための観点として、指導者による題材の発想・構築時における、(1)参照先となる社会的あるいは文化的な資源の所在、(2)教師専門性への意識の様相、(3)はぐむみたいと考えている子どもの資質や能力、以上の3観点を設定し、それらの関連を明らかにしていくこととした。次年度以降においてはこの観点等をもとにした学校教育指導者を対象とする質問紙調査を実施してその分析を行う。また、引き続き指導者への個別の面接調査を行うことで指導者の課題意識と題材の関連を考察する予定となっている。
|