2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530961
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
國宗 進 静岡大学, 教育学部, 教授 (50214979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊倉 啓之 静岡大学, 教育学部, 教授 (00377706)
中村 享史 山梨大学, 教育学研究科, 教授 (70303394)
大田 春外 静岡大学, 教育学部, 教授 (40126769)
山田 耕三 静岡大学, 教育学部, 教授 (00200717)
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Keywords | 数学教育 / 幾何学 / 証明 / 授業 |
Research Abstract |
本研究の目的は、算数・数学科における「証明・説明」に関する児童・生徒の理解の様相を明らかにし、「証明・説明」する能力の育成を重視した幾何教育の系統について、理論的・実証的に明らかにするとともに、ある性質や方法を「発見し証明する過程」を重視した授業を実現するための具体的方策を提案することである。研究実施計画に従い、今年度は以下の点について研究を進めた。 1)教育課程実施状況調査、全国学力・学習状況調査での「証明・説明」に関する調査結果を分析・検討し、集約した。また、「発見し証明する過程」を採って学習指導が行われると考えられる内容・展開について、中学校数学教科書の記述や授業展開例に基づき分析し集約した。 2)中学校第2学年での「図形の相似の利用」、及び「立方体を切断してできる立体の作製」の授業研究を「発見し証明する過程」を重視して行い、生徒の思考の様相や学習問題の適否等について検討した。また、中学校第1学年での「空間における2直線がつくる角」の授業研究を行い、そこでの生徒の志向の様相を追究した。いずれの授業においても生徒達の意欲的な追究活動が観察された。 3)共同研究者であるKeith Jones (Southampton Univ.), Taro Fujita (Plymouth Univ.)の両氏をイギリスから迎えて、日本の小中高校における算数・数学に関する授業研究を共同で行った。その際には、幾何教育に関するワークショップも奈良教育大学と共同で開催した。昨年度・今年度と日英両国で行った授業についての協議を通じて、共通理解を深めると共に、今後の研究課題の焦点化を図った。それらは2012年7月に開催される第12回数学教育世界会議、そして第36回数学教育心理学会において発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間の研究計画の内の第1、第2年度に計画した内容について、着実に進展している。特に基礎資料の収集、及びイギリスからの共同研究者招聘によって、一層成果が上がったと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も2回の全体会と2回程度の授業研究を行って、「発見し証明する過程を重視」という視点での研究の集約に向けて文章化を進めていく予定である。また、これと併行して、2つの国際会議での共同発表、及び訪英調査によって、イギリスの幾何教育からの知見を集約する予定である。
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