2011 Fiscal Year Annual Research Report
小学校・図画工作科における技術教育のカリキュラム開発
Project/Area Number |
22530988
|
Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
有川 誠 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (50325437)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 康作 鳥取大学, 地域学部, 教授 (20294308)
田口 浩継 熊本大学, 教育学部, 准教授 (50274676)
坂口 謙一 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (30284425)
|
Keywords | 図面工作科 / 技術教育 / Design & Technology / Art & design / aesthetic / 美術教育と技術教育の連携 / 教材開発 |
Research Abstract |
本研究の目的は、小学校「図画工作科」における「普通教育としての技術教育」を含むカリキュラムを開発し、「美術」的内容と「技術」的内容の連携の可能性を探ることである。本年度は,昨年の「UK訪問調査」の成果等を基に,小学校「図画工作科」で用いることを想定した「技術教育的要素を含む教材開発」を行い,大学生を被験者とした授業実践を通して得たデータからその課題や可能性を明らかにした。具体的にはダンボール製「ノックダウン式椅子モデル」を開発し,授業実践で被験者に構想・設計・製作させ,その過程で行う「事後アンケート」等から,「ノックダウン式椅子モデル」の教材としての課題や可能性を明らかにした。結果は以下のようにまとめられる。 まず,「椅子モデルの構想が円滑に進むように,参考になる展開図を何パターンか準備すること」が必要である。事後アンケートから,大学生でも構想時の展開図をかく作業が難しいと感じており,この作業は小学生にはかなり困難であると考える・小学生に構想・設計を行わせる場面では,教師が展開図を予め何パターンか用意し,児童に選択させたり,基本となる展開図に少し手を加えさせたりする程度にとどめるべきと考えられる。 次に,「展開図に厚紙を使用するなどして,ずれ難くする配慮が必要」である。大学生でもテープで紙を固定し,ずれを防ぐ様子が見られたため,小学生に作業を行わせる際は,展開図に厚紙を使用し,それを型紙として使わせるといった配慮が必要と考えられる。 これらの結果から,開発した「ノックダウン式椅子モデル」は,小学校「図画工作科」で用いることを想定すると,幾つかの改善すべき点はあるが,構造が複雑にならなければ小学生でも十分取り組め,作図や切り抜きなど多くの技能習得にも役立つ意義ある教材になり得ると考えられる。次年度は、小学生の発達段階を考慮した教材配列を確定し,「図画工作科」における技術教育カリキュラムを確定したい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた小学校「図画工作科」で用いることを想定した「技術教育的要素を含む教材開発」については,具体的な教材を開発し,授業実践を通した課題や可能性の評価も行えたので,「研究の目的」の達成度はおおむね順調に進展していると判断される。ただ,本年度予定していた,小学生の発達段階に応じた教材の選択確定,学習指導案の作成については未達成であるので,次年度(最終年度)ペースアップして当初の目的達成を図りたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更や研究を遂行する上で障害となる問題点はないが,上記のように,小学生の発達段階に応じた教材の選択確定,学習指導案の作成については最終年度に行うことになったので,研究分担者とも平成24年度の研究計画を十分に検討し,協力して当初の「研究の目的」を年度内に達成できるようにしたい。
|