2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域の子育て支援施設を活用した生涯教育に導くモノづくりプログラムの構築
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22530998
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
松井 祐 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10290537)
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Keywords | ものづくり / 造形教育 / 社会教育 / 生涯教育・生涯学習 / 子育て支援 |
Research Abstract |
本研究は,地域の子育て支援施設など学校外における美術・造形活動の現状と課題を明らかにし,ものづくり活動を支援する効果的な方法を研究し,ものづくりを普及・発展させることを目的に取り組んでいる。 幼少期からのものづくりは,身体感覚の発達や豊かな情操を養い,ものづくりの成功体験が,生涯にわたりものづくりの楽しさや喜びを味わうきっかけになるとの仮説のもと,2年目の取り組みとして,幼児および児童を対象に,さまざまな素材体験によるものづくり講座の実践を行った。また,子育て支援施設や児童館において,ものづくり講座を実践するための効果的な指導のあり方について研究を進めた。 ものづくり講座の実践では,児童館(岐阜市)において,小学生を対象に夏休み期間を利用し「染色体験講座」,冬休み期間を利用し,幼児と保護者および小学生を対象に「羊毛講座」を行なった。 子育て支援施設等(大阪市,京都市)では,夏休み期間および10月から2月にかけて計6回にわたりものづくり講座を実践し,約150名が参加した。指導にあたった施設職員への聞き取り調査,ものづくり講座の参加者アンケートから実態把握と現状における課題がみつかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子育て支援の現状に関する発表では,厚生労働省と文部科学省の子育て支援事業の概要,子ども・子育てプラザで実践した,羊毛を使った身体感覚を重視した,素材体験による造形表現のワークショップの報告と社会教育としての課題,学生を対象に実施した五感に関わるアンケート調査の報告を行なった。 学会論文では,学校外のものづくり講座の実践報告,染色体験講座の指導法について発表を行ない,効果的な指導につなげる実践や課題について検証した。また,切り紙によるシルクスクリーン技法を応用した教材開発および指導法についての論文発表も行なった。 ものづくりの実践では,指導者育成を目的に施設職員を対象とした,プレものづくり講座を実践した。その結果,指導法やワークシートの教材集化など検討すべき点が確認できた。また,教材集については,これまで実践してきた講座のワークシートを大幅に改善する必要が生じたため,大阪教育大学島影和夫教授より指導・助言を受け,より効果的な実践につながる指導内容に修正し,実践例,材料や用具など技術指導に関する内容も取り入れ,再編集を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
2011年から学生や社会人を対象に取り組んできた,ものづくりに関する意識調査アンケートを集約し,美術やものづくりに関するイメージについて考察する。アンケートは約800名に実施済みであるので,詳細なデータ分析を通して,美術に対する苦手意識や興味関心について考察していきたい。 ものづくりの講座の実践に関しては,将来教員や保育者をめざす学生を指導者に位置づけ,子どもへの指導のあり方や,学校と地域社会をつなげる活動に主体的に関わることを通して実践力を身につける取り組みをめざす。また,それらの実践を通して,現状における課題や改善点を整理し,本研究を発展させていきたいと考えている。
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Research Products
(4 results)