2010 Fiscal Year Annual Research Report
養護実践力の向上を目指したケースメソッド教育プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
22531041
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Research Institution | Sonoda Women's University |
Principal Investigator |
林 照子 園田学園女子大学, 健康科学部, 准教授 (30434921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 加奈子 千葉大学, 教育学部, 教授 (10224007)
竹鼻 ゆかり 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (30296545)
鹿野 裕美 宮城大学, 看護学部, 講師 (40510631)
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Keywords | 教育学 / 養護教育 / ケースメソッド / 健康教育 / 養護教論 |
Research Abstract |
本研究は、子どもの健康課題に対応するための実践力の向上を目指し、健康教育をリードする養護教諭に対するケースメソッド教育プログラムを開発し評価することを目的としている。そのパイロット研究としてのH22年度は、養護教諭の多様なニーズに適したケース教材および教授用マニュアルの開発を中心として実施した。具体的には、プログラムを進めるための養護実践力を高めるケース教材の検討を行いながら、既存のケース教材を併用し、現職養護教諭を中心とした養護教育実践とその評価を実施することである。方法として、まず、他の専門分野のケースメソッド教授法に関する情報収集により教育目標の検討、また、ケースメソッド教育による養護教育(研修)実践の研究者間相互観察と事後評価によりその観察記録と事後評価の分析を行った。 H22年度の成果として、養護教諭を対象とした7ケース教材・教授用マニュアルの加筆・修正を行った。かつ、他の専門分野のケースメソッド教授法の研修に参加することで研究に必要な技術の習得も行い、国際学会でその実践を報告した。また、養護教育(研修)実践においては、研究者間相互観察記録の質的分析により、チューターの発話内容および発問に関する実践的思考に特徴が認められ、特に、「議論のコントロール」、「議論の積み上げ」、「議論の深化」という受講者の討論の展開過程にかかわっていることが示された。これにより、養護教諭を対象としたケースメソッド教育を実践する機会に限界はあるものの、養護教育実践の記録および観察者による相互評価によるふり返り(モニタリング)によって、ケースメソッド教育において重要な役割を果たすチューター養成に必要な要素についての基礎資料を得た。
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