2010 Fiscal Year Annual Research Report
音楽教育から展開する保幼小連携-分化と深化のプログラム
Project/Area Number |
22531042
|
Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
吉永 早苗 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 教授 (80200765)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
無藤 隆 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (40111562)
岡本 拡子 高崎健康福祉大学短期大学部, 児童福祉学科, 教授 (80309442)
高見 仁志 湊川短期大学, 学校教育学部, 准教授 (40413439)
|
Keywords | 音楽表現 / 音楽教育 / 保幼小連携 / カリキュラム研究 / ねらい / 見通し / 学びの連続性・一貫性 / 指導プラン |
Research Abstract |
保幼小連携は、異なる学校種間の交流、保育者・教育者間の情報交流を経て、今日、教育課程の編成・実施に、体系的・具体的に取り組む時期にある。音楽教育における保幼小連携に関する教育過程の研究としては、子どもの発達に即して、「出会う」→「感じる」→「あらわす」→「たのしむ」の4段階での指導・支援の在り方を具体的に示した岩手県の取り組みや、日本学校音楽教育実践学会(2006)の、「人と地域と音楽」、「音楽の仕組みと技能」、「音楽と他媒体」を柱とした幼稚園から高等学校までの系統的なプログラムの提示などが注目される。こうした文献研究および、年長児の音楽活動に焦点を当てた保育観察から、音楽教育における円滑な保幼小連携のためには、幼児期の学びの在り様を把握するとともに、幼児期の音楽活動に、児童期の学びに対する見通しをもつことの重要性が明らかになった。 音楽活動における学びの連続性・一貫性の編成には、保育者・教師が子どもの発達を観ながら、教材研究を通して音楽的な「ねらい」を設定することが求められる。幼児期の表現の目的である「豊かで多様な表現を楽しむ」ためには、「ねらい」も音楽そのものにかかわっていなければならない。子どもの発達を観ながら音楽的な「ねらい」を考えることが、「見通し」をもった保育につながる。一方児童期においては、幼児期に体験した感性的な印象の背景にある理論を学ぶことで、音楽的表現がより深められる。そしてその「ねらい」は、保育者・教師の適切なかかわりによって実現する。 こうした理論に基づき、22年度は、「音色」、「音高」、「ダイナミクス」、「調性」の知覚と感受を「ねらい」として挙げ、たとえば手作り楽器から音色の追究→音が響く仕組みへの好奇心→楽器への興味のように、児童期での学びを見通した幼児期の音楽表現の具体的な指導プランを提案した。また、幼児期に親しむ『アイアイ』と『ぶんぶんぶん』の2曲を取り上げ、音楽表現における「学びの芽生えから自覚的な学び」への具体的な展開について示した。
|
Research Products
(6 results)