2011 Fiscal Year Annual Research Report
大学資源を活かした地域への学生ボランティア派遣システムの構築
Project/Area Number |
22531060
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
霜田 浩信 群馬大学, 教育学部, 准教授 (80364735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井澤 信三 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (50324950)
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Keywords | 特別支援教育 / ボランティア / 発達障害 |
Research Abstract |
本研究は,1)地域の学校等へ学生ボランティアとして参加している大学生の実態を明らかにすることによって、2)地域の学校等における学生ボランティアへのニーズ、3)学生ボランティアが抱える課題を検討し、4)大学資源としての学生ボランティアを地域のニーズに応えられる形で派遣できるシステムを考案することを目的としている。 二年目の2011年度は、主に次の2点について検討を行った。 1)小中学校へ派遣された大学生ボランティアが抱える困難さの検討:学生ボランティアが地域の学校へ派遣された際に抱える困難さを分析することを目的とした。方法としては、学生ボランティアによって記録された派遣先での活動記録表を基に、(1)学生の「支援の必要な児童生徒」へのとらえ方、82)学生ボランティアが「支援の必要な児童生徒」に対応する際の困難さを明らかにした。分析の対象の活動記録数は2,358であり、そのなかから学生が児童生徒との関わりで困難と感じた記載内容の1,011記載を抽出し分析した。その結果、学生ボランティア達は支援の必要な児童生徒への気づきはあるものの、具体的にどのような指導や関わったら良いか分からずにいることが明らかになった。また、支援の必要な児童生徒に限らず、子どもへの指示・説明の仕方、注意の仕方、ほめ方、叱り方等についても不安を感じていることが明らかになった。 2)「学校ボランティアハンドブック」作成:教育現場へボランティアとして出かけた学生が抱えた困難さの分析に基づき、ボランティアにでかけた際に、学校や子どもと関わるための「学校ボランティアハンドブック」を作成した。 ハンドブックの項目としては、ボランティアの心得、学習支援、指示等の出し方、子どもの気持ちへの支援、子どもの行動への支援等であった。また、このハンドブックを用いてのボランティアへ参加する者への研修会を試行した。 今後、このハンドブックの効果検証をすることが課題となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
22年度で計画していた「学生が抱える困難さ」の分析とその分析結果に基づいた「学校ボランティアハンドブック」の作成ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画としては、(1)学校ボランティアハンドブックの効果検証:作成された学校ボランティアハンドブックがボランティアに出かける際にボランティア活動やボランティアの不安解消につながるかどうかを検証する。(2)学校ボランティア派遣システムの考案:3年間の研究を踏まえ、大学生が地域の学校へボランティアとして出かける際の大学側の派遣システムについて考案することが予定されており、おおかた当初の計画通りに研究を進めることができると考えている。
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