2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540026
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小須田 雅 琉球大学, 理学部, 准教授 (40291554)
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Keywords | Partition代数 / Party代数 / Cell表現 / Seminormal Form / Diagram代数 |
Research Abstract |
本年度は年度の半ばを過ぎてから、研究費が支給されることとなったため、本格的に研究に着手出来たのは、11月からであった。まず、7月に行なったRIMS合宿型セミナー「Diagram代数とその周辺」で得られた知見をもとに、4年間研究の方向性をデザインすると同時に、現在最大の懸案である、Party代数のMurphy元を使ったseminormal formによる既約表現の構成を試みることにした。後者については、同じDiagram代数であるPartition代数のMurphy元の関係式がEnyangにより明らかになったという報告が得られたので、そのプレプリントの検証を行うことから始めた。12月に偶然にも、Enyangが来日していることが明らかになり、名古屋大学の宮地氏により、急遽講演会が開かれ、それに参加し、Enyang氏と討論を行うことが出来た。Enyang氏との討論では、プレプリントに書かれたSeminormal Formはシドニー大学のMathas氏の手法を用いていること、およびその適用方法に概ね誤りが無いということの心象を得たが、実際に、プレプリントに書かれている計算を検証するためのプログラム作成を試てみると、細かい点で誤りが多く含まれていたため、その修正作業に多くの時間を取られることになった。23年の3月になって、核心部分の誤りを修正する方法を思いつき、岡山大学の成瀬氏と、その修正案が正しいかどうか、正しい場合に我々の研究の重点項目であるParty代数に対してどのようにその手法を適用したら良いかを討論した。その結果、修正案は正しいものであり、Enyang氏のプレプリントの手法をParty代数に適用する有力な方法が見つかった。23年度以降は、これらの方法をもとにParty代数のSeminormal Formの構成を試みるとともに、Cell表現を利用して半単純でない場合の表現についても考えていく予定である。
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