2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540078
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
望月 拓郎 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (10315971)
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Keywords | 調和バンドル / 不確定特異点 / ストークス構造 / ツイスターD加群 / 有理型平坦束 |
Research Abstract |
混合ツイスターD加群を定式化し,混合ツイスターD-加群の圏が標準的な関手を備えていることを示しました.これらをプレプリントをまとめて,プレプリントサーバに発表しました. ワイルド調和バンドルとワイルド純ツイスターD加群についてのモノグラフを出版しました.これは,今後の調和バンドルの研究において重要な礎となるべきものです. 2次元トーラスと2次元ユークリッド空間の直積X上のL2-インスタントンの漸近挙動について研究しました.スペクトル曲線が無限遠まで自然に延長されること,トーラス方向の寄与が指数的に減少することなどを示し,トーラス上のワイルド調和バンドルとX上のL2-インスタントンの間のナーム変換を得ました.さらに,常微分方程式の不確定特異点のストークス構造と類似の現象が,L2-インスタントンの研究でも現れることを洞察しました.これは,それ自体が興味深いだけでなく,ワイルド調和バンドルによるL2-インスタントンの指数的な近似を得る上で重要なステップになるものと期待されます. これまで交流の薄かった分野の人達の研究集会(アクセサリーパラメーター研究会,東京大学代数学コロキウム)で講演し,情報交換を行いました.海外での研究集会や日本数学会の年会などで招待講演を行い,調和バンドルの研究が広く知られるようにつとめました.数理解析研究所の公開講座や,ロシアのHSEと京都大学数学教室の間の交流会などで講演することで,不確定特異点や調和バンドルの理論の普及につとめました.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表作となるべき著作(Wild harmonic bundles and wild pure Twistor D-modules)を出版したから.
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Strategy for Future Research Activity |
プレプリントとしては発表してあるホロノミックD-加群のベッチ構造についての研究や、混合ツイスターD-加群の研究を、出版できるように改訂していきます。また、より多くの研究者に興味をもってもらえるように、この方面のサーベイを用意していきます。 これとは別に、インスタントンなど関連する分野にも取り組み、研究の幅を広げていきます。
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Research Products
(8 results)