2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540127
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
磯崎 泰樹 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (90273573)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 確率論 / 更新理論 / ブラウン運動 |
Research Abstract |
(1)ラチェットつきブラウン運動とは、一次元ブラウン運動が自然数に達するごとに、その値よりも上向きに反射されるような変更を加えた確率過程であり、数理物理学・数理生物学において、興味の対象であり続けてきた。既存の研究では、ラチェットつきブラウン運動の記述方式は、隣接する自然数への到達時刻の間の動き方を直感的に指定する方式だった。本研究では、ラチェットつきブラウン運動の動き全体を記述するスコロホッド型方程式を案出し、さらに、この方程式に従う確率過程の一意存在を証明した。 (2)更新理論は、保険科学において、リスクの解析のための中心的な役割を果たしている。本研究では、更新理論の証明の中で重要な役割を果たす、ある測度の族の弱収束を詳しく調べた。その結果、これまで知られていたよりも広範な測度族の弱収束を得るとともに、既知の弱収束をもたらしていた主因を明らかにできた。 (3)更新理論の主たる帰結は、更新測度がルベーグ測度に漠収束することと、その収束に関する誤差評価である。更新測度の密度については、定数に収束するのと同値であるが、密度は微係数であるが故の困難が伴う。本研究では更新測度の密度に対し、既知の結果よりも次数の高い誤差評価に成功した。その手法は、(2)でも研究した弱収束を利用してフーリエ変換で表示する式を得て、収束を考える変数範囲以外での値を変更することで、扱い易い可積分関数のフーリエ変換に帰着させることである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)