2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540202
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
小林 孝行 佐賀大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50272133)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶木屋 龍治 佐賀大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10183261)
|
Keywords | 圧縮性流体 / Navier-Stokes方程式 / Stokes方程式 / 消散型波動方程式 / 非線形波動方程式 / 線形粘性弾性体方程式 |
Research Abstract |
全空間における圧縮性Navier-Stokes方程式系の初期値問題、半空間や外部領域における圧縮性Navier-Stokes方程式系の初期値境界値問題では、定数平衡解の安定性のこれまでの研究において、特に、解の時間に関する漸近挙動の研究から、解の拡散波動の現象と広い意味でのホイゲンスの原理の解明が示唆されており、そのため、解の第一近似として現れる線形粘性弾性体方程式と非圧縮性のStokes方程式およびNavier-Stokes方程式の解の時間に関する漸近挙動について解析を行った。線形粘性弾性体方程式の解の時間に関する漸近挙動を解析する上で、まず2次元外部領域における波動方程式の初期値境界値問題、摩擦項付き波動方程式の初期値境界値問題、および摩擦項付き冪乗型の非線形波動方程式の初期値境界値問題を考察し、初期値がHardy空間に属する場合を考え、波動方程式の場合は、局所エネルギー減衰評価、摩擦項付き線形波動方程式の場合は、2次元では臨界である解の時空間に関するL2有界性を得ることが出来た。外部領域における摩擦項付き非線形波動方程式の初期値境界値問題では、2次元外部領域におけるHardyの不等式に対応した、空間に関する重み付きの冪乗型非線形構造に着目し、摩擦項付き線形波動方程式の場合と同様に2次元では臨界となる解の時空間に関するL2有界性を得ることが出来た。このような非線形構造をもつ外部領域における熱方程式、摩擦項付き波動方程式の初期値境界値問題では、解の存在の臨界指数である藤田指数が通常の冪乗型非線形の場合と異なることが予想され、また、これらの方法は、全空間における線形粘性弾性体方程式の初期値問題、さらに、非圧縮性Navier-Stokes方程式の初期値問題や圧縮性Navier-Stokes方程式の初期値問題への応用が期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画の通り、摩擦項付きの非線形波動方程式については研究が進み、線形粘性弾性体方程式についても研究は順調に進んでいる。Stokes方程式および非圧縮性Navier-Stokes方程式の解の構造については、解の空間に関する重み付き評価の研究が進んでおり、また圧縮性Navier-Stokes-Poisson方程式系についても流体力学的極限の研究も順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
8月に国際研究集会「Mathematical fluid dynamics and nonlinear wave」、9月に研究集会「非線形の諸問題」を開催予定であり、非線形偏微分方程式および流体の数学解析に関連する研究集会に参加し、流体方程式及び非線形波動方程式等に関連する最新の研究の情報収集を行うと共に、国内外の研究者と討論を行い、研究を推進して行く予定である。特に、研究分担者である梶木屋龍治教授,連携研究者の三沢正史教授、池畠良教授、隠居良行教授等と研究討論を行うことで研究計画を遂行して行く.
|
Research Products
(10 results)