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2011 Fiscal Year Annual Research Report

量子状態の遷移確率とその応用

Research Project

Project/Area Number 22540217
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

山上 滋  名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (90175654)

Keywords量子状態 / 遷移確率 / テンソル圏
Research Abstract

量子代数の中でも基本的なものに、正準交換関係代数(CCR代数と略記)と正準反交換関係代数(CAR代数と略記)がある。最初の研究成果として、CCR代数の自由状態間の遷移確率公式の応用としての角谷二分律について、その結果を論文形式にまとめ、関連分野の研究会の場で講演・発表することができた。
その内容であるが、2つの自由状態から生成される作用素代数は、同型であるか、同型な部分をまったく含まないか、のいずれかであること(角谷二分律)。
さらに、この2つの場合が、自由状態間の遷移確率の有無、すなわち、遷移確率が正であるか否か、で判定できること。後者は、無限直積測度に対する角谷の判定法と類似のものではあるが、これまで知られていなかったものである。
ついで、CAR代数の場合の同様の結果が成り立つかどうかについても調べた。
この場合は、ほとんどすべての自由状態が因子環という分割不分性を有する作用素代数を生成することが知られており、二分律そのものは成り立つものの、自明に近いものになっている。ただし、CAR代数の形としてクリフォード代数形式を採用すると、例外的な場合ではあるが、因子環とはならない場合が出現し、二分律の存在を確かめることに意味があることが、研究協力者の一人である松井卓氏との共同研究で明らかになった。これについては、現在、論文として発表すべくまとめの作業を行っているところである。また、この非因子環性に関連した話題として、自由状態を偶代数部分に制限した場合に二分律が成立しない現象についても、その詳しい情報を得ることができた。
最後に、当初計画にあったテンソル圏への応用については、上記の二研究に多くの時間が割かれたという事情もあり、準備段階にとどまった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初に予定していた内容が、ほぼ達成されたこと、未達の部分は、時間的余裕があれば行うという計画であったため。

Strategy for Future Research Activity

今年度の研究で得られた、CAR代数の自由状態に対する二分律をまとめ、公表すること。
また、テンソル圏における無限テンソル積へ向けての準備的作業を順次進めていくこと。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011 Other

All Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] Kakutani dichotomy on free states2011

    • Author(s)
      山上滋
    • Organizer
      作用素論・作用素環論研究集会
    • Place of Presentation
      琉球大学(招待講演)
    • Year and Date
      2011-11-05
  • [Remarks]

    • URL

      http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~yamagami/

URL: 

Published: 2013-06-26  

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