2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 修平 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (20247208)
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Keywords | Palis予想 / Smale予想 / ラグランジュ系 |
Research Abstract |
本研究課題の初年度における目的はPalis予想解決へのステップとして、C^2級の微分同相写像に対し、中心方向のLyapunov指数が0をとらない場合に、C^1位相に関してホモクリニック分岐を引き起こすもので近似出来ないならば、完全な双曲性すなわちサイクルを持たない公理A微分同相写像で、C^1近似出来ることを証明することであった。 交付申請書に記載した研究実施計画では、このようなC^1位相における稠密性の結果で十分であると考えていたが、その後の研究により、C^2位相における生成的性質まで得られることが判明した。このことは、この結果がC^1 Palis予想のみならず、C^2 Palis予想に対する部分的結果とも考えられることを示している。大域的な結果を導くのに不可欠である摂動定理は高度に発達したC^1位相のものに比べて、C^2位相では極端に少なく、一般性を持つ摂動定理は全く存在しないため、C^2 Palis予想はその部分に大きな困難をかかえている。そのため、部分的な結果であっても一般次元における結果はこれまで皆無であったことを考えると、上記C^2位相の結果はC^1位相の結果よりも格段に価値の高いものと考える。 平成22年度の研究では、C^2位相に変換する作業を行ったため、当初の予定よりも完成が遅れることになったが、その成果は今年の1月に東工大で開催された「冬の力学系研究集会」において発表し、論文としては、付随して出て来た新しいC^2位相に関する生成的性質の結果も合わせて平成22年度中にまとめることができた。
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Research Products
(3 results)