2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540234
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
佐藤 信哉 立教大学, 理学部, 准教授 (60305662)
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Keywords | subfactor planar algebra / 3次元多様体の位相不変量 / D2n-線形スケイン / subfactorの幾何学的表現 / Borel-Weil-Bottの定理 / Beltita-Gale / Cuntz環 / subfactor |
Research Abstract |
本年度は修士課程の学生との共同研究として,D2n-subfactor planar algebraから3次元多様体の位相不変量を構成した.具体的な方法としては,Lickorishによる線形スケインの理論をD2n-subfactor planar algebraから得られる極小射影のなすテンソル圏(これはリボン圏である)の場合に拡張し,Lickorishの方法と同様にして3次元多様体のDehn手術表示を利用して位相不変量を構成した.この量が実際に位相不変量であることは,Kirby移動で不変であることを示せばよいが,これらはhandle slide propertyとkilling propertyを証明することにより得られる.結果として,D2n-subfactor planar algebraから得られる極小射影のなすテンソル圏はモジュラー圏であることも示された.与えられた3次元多様体の位相不変量を計算するためには,極小射影のテンソル積分解を与える射を具体的に記述しなければならないが,すべてを得るには至らなかった.また,既存の量子不変量との関係もまだわかったおらず,これらの点については引き続き研究をしていく. また,subfactorの幾何学的表現論についての研究を行った.幾何学的表現論の基本的な結果として,Borel-Weil-Bottの結果がある。これをC*一環の言葉に直す作業をまず行った.その過程でBeltita-Galeによる先行結果が有効なアプローチであることを知り,彼ら結果を精査することとなった.彼らの結果はC*-環の表現に対するBorel-Weil-Bottの定理とも言えるものであり,subfactorの幾何学的表現論に適用できる可能性があると思われる.これらについては今後の研究課題である.
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