2011 Fiscal Year Annual Research Report
非線形退化放物型および双曲型方程式系のエントロピー解の研究
Project/Area Number |
22540235
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小林 和夫 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80103612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 悟 早稲田大学, メディアネットワークセンター, 助教 (50367017)
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Keywords | 非線形現象 / 実解析 / エントロピー解 / 退化放物型 |
Research Abstract |
n次元非線形退化放物型与程式とn×n非線形双紬型方程式系に対する研究を行った。 先ず、非線形退化放物型方程式については、非等方退化双曲-放粉型の場合に対する初期値・境界値問題を考察し、そのエントロピー解についての比較定理および一意性と存在性に関する問題の研究を行った。これに対する研究は、全空間R^n上の(境界条件のない)初期値問題でのみ行なわれていた。次に、研究協力者・應和宏樹氏の下で、n×n非線形双曲型方程式系をSmollar-Johnsonのショック曲線による方法の幾何学的、解析的方法で研究し、さらにBressanの波面追跡法とBianchini-Bressanの粘性項消滅法の改良の研究を行った。 本年度は、研究初年度である昨年度の研究を再検討・整理し、さらなる新しい知見と結果の取得に重点をおき、関連した研究集会に出席し資料と最新情報の収集に努めた。 研究成果については、n次元空間R^nの有界矩形上の非等方退化双曲-放物型方程式に対する非斉次境界値問題の優エントロピー解と劣ヱントロピー解の比較定理およびエントロピー解の一意控・存在性の結果を得た。この結果は、研究代表者により得られていた等方双繭-放物型の場合の結果(2006)を非等方的の場合に拡張している。また、Chen-Perthameにより得られていたコーシー問題の結果(2003)に対する初期値・境界値問題バージョンである。研究手法については、Lions-Perthame-Tadmorによって開発されたKinetic Formulation(Kinetic法)を非斉次Dirichlet問題への場合に拡張、改良して議論を行っている。有界矩形上のみで問題を扱った理由は、方程式の中に現れる非等方拡散行列に対する粂件が、空閲R^nの回転変換に関して不変でなく、局所座標系の方法が利用できないからである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主な研究目的の一つである非等方退化双曲-放物型方程式に対するエントロピー解の比較定理・一意性定理の結果を有界矩形領域の場合に得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方策として、次のテーマを重点的に扱い研究していく。(1)有界矩形領域を一般の有界領域に拡張する。 (2)双曲型方程式の移流項のフラックスが不連続の場合の研究。(3)確率項を加えた双曲-放物型方秤弍の研究。
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