2012 Fiscal Year Annual Research Report
非線形退化放物型および双曲型方程式系のエントロピー解の研究
Project/Area Number |
22540235
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小林 和夫 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80103612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
應和 宏樹 新潟大学, 自然科学系, 助教 (10549158)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | Entropy解 / Kinetic解 / 非線形退化放物方程式 / Riemann問題 / 非線形保存方程式系 / 波面追跡法 |
Research Abstract |
本研究はn×n非線形双曲型(保存則)偏微分方程式系に対するコーシー問題の時間大域解の構造の解明,および非線形退化放物型(放物-双曲型)方程式に対する初期値・境界値問題のエントロピー解とキネティック解の構造の解明を行った。研究最終年度であったので,研究1年目,2年目で解明した理論と結果を整理検討して,解の構造理論を改良しさらなる理論構築を図った。 研究方法はn×n非線形双曲型方程式系については,ショック曲線を幾何学的,解析的に解明する方法で行った。ショック曲線法はこの方程式系に対するコーシー問題の数少ない解法の1つである波面追跡法において中心的役割をなすものである。これまで知られていなかったショック曲線の幾何学的性質を詳しく解明して大域解の存在を証明したこの方法は本研究の特色である。退化放物型方程式はキネティック理論を用いた。この理論は双曲型方程式に対するものであったが,これを退化放物型方程式の場合に適応できるように改良して研究を行った。 研究成果については,非線形保存則方程式系に関して1次元n×n保存則方程式の一般の初期値問題の可解性についてはBressan等による波面追跡法を用いた一連の結果がある。しかし,その証明手法は複雑なため理解が難しく,さらには厳密とは言い難い部分もある。本研究では1次元2×2保存則方程式系のリーマン問題に関する研究で得られた構造理論を一般の初期値問題に適用することで,1次元2×2保存則方程式系に対する波面追跡法の簡略化を行い,その証明を厳密なものとした。また,非線形退化放物型方程式に関しては,非等方退化放物方程式に対する非斉次ディリクレ問題をn次元矩形領域で考察し,エントロピー解の比較定理と存在定理(国際会議発表)を得た。これに対応したコーシー問題の結果は得られていたが,ディリクレ問題に対する結果はこれが最初である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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