2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540307
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中村 正吾 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (50212098)
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Keywords | 液体キセノン / シンチレータ / 発光波長 / 放射線検出器 / SLitrani / 気体キセノン |
Research Abstract |
2年目である今年度は,前年度に構築した微弱なシンチレーション光の高感度な測光系の調整を進めた。同系では,分光器で分光した微弱なシンチレーション光をシンチレータ近傍の直接光と同時計測することで,高いSN比で測光する。最初に,冷凍機のためのHeコンプレッサーを購入して借用品と置き換え,温度制御機構も改善した。また,信号処理電子回路では,同時計測のタイミングを解析時に設定出来るよう,分光光とシンチレータ近傍での直接光との時間差を測るTDCを追加導入した。さらに,実験系の安定動作を常時監視するためのオンラインモニター系を追加導入した。 測光系の調整と並行して,平成23年11月から,液体キセノンシンチレータの発光波長の測定試験を進めた。光学系は,分光器のスリット幅を1nm以下の波長幅に相当する種々の値に設定して,160-190nmで1波長あたり1,000秒を超える長時間の測光を行なった。また,校正のために気体キセノンの発光を含めた種々の波長基準光源を用いてデータ取得を行なった。 以上の測定に加えて,汎用のデータ解析ソフトウェアのROOT上で動作する光学シミュレーションソフトウェアパッケージのSLitraniを用い,本研究で用いている光学系の正確な計算シミュレーションを実施して,系内で生ずる様々な反射や屈折などの測定への影響を評価した。 以上により,発光スペクトルの測定精度を前年度以上に向上させられたと見られ,前年度に得た暫定的な結果の,発光のピーク波長が約175nm,ピークの幅(FWHM)が約10nmであるとの初期結果を再確認し,1965年にJortner等が報告した結果と有意な差異があることが一層確実になったが,詳細な解析はまだ途中である。 なお,以上の進捗状況と得られた結果は,2011年8月から2011年12月までに行われた1つの研究会と2つの学会において報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画した実験系の最適化については,ガス系の改良計画が技術的な問題から検討のみで留まったが,代わりに,実験系を監視するオンラインモニター系を追加した。データ取得は,光学系の校正を含め計画通りに進められたが,気体キセノンを用いた波長校正方法を新規導入したため,データ解析は次年度に繰り越した。その一方で,計算シミュレーションによる光学系の特性評価を実施して解析で必要となる補正の精度を高めることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画に大きな変更は必要ないが,当初計画したガス系の改良と,データ取得回路系の改良,励起線源の多様化を進められれば,より質の良いデータが取得出来ると期待出来る。そこで,これらを次年度の最初に試みて,その後のさらなる高品質なデータの取得と解析を行なうことを検討する。
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Research Products
(5 results)