2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540307
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中村 正吾 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (50212098)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 液体キセノン / シンチレータ / 発光波長 / 放射線検出器 |
Research Abstract |
本課題の最終年度として,これまでに構築した微弱なシンチレーション光の発光波長の測定装置の調整を進めるとともに,同装置を用いた様々なデータ取得と解析を行なった。 測定装置の調整では,当初計画した安全弁とガス退避容器の追加はコスト等の観点から断念したが,熟練した作業者を計画的に配置することで,安全に長時間のデータ取得を行なった。信号処理回路系については,信号対雑音比が高くなるような回路パラメータを追究した。光学系は,分光器のスリット幅をじゅうぶんに狭め,スリット高もじゅうぶんに低く抑えることで,じゅうぶんな波長分解能を実現した。また,応答時間の揺らぎを把握するために高速な半導体レーザーパルス光源を用いて時間データを取得し,さらに,分光器の波長分解能を把握するために水銀ランプの真空紫外域での線スペクトルを利用するなどして,様々な校正データを取得した。 以上の結果,1nm以下の波長分解能で液体キセノンシンチレータの発光波長のスペクトルの測定を行なった。圧力を1気圧前後で様々に変え,γ線励起で発光強度の測定を160-190nmの波長範囲で波長スキャンして行ない,結果としてピーク波長が約175nm,ピークの幅(FWHM)が約10nmとの結果が確定的となった。この結果は,1965年にJortner等が報告し,現在まで度々引用されてきた結果(ピーク波長が約178nm,ピークの幅が約14nm)と比べ,ピーク波長で約3nm短く,ピークの幅で約4nm狭い。この違いは実用上大きいため,本研究で得られた結果は,現在応用が進みつつある液体キセノン検出器を用いる際に,重要な特性として今後に広く用いられると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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