2012 Fiscal Year Annual Research Report
新奇炭素系擬一次元物質グラフェンナノリボンにおける電子相関と輸送現象
Project/Area Number |
22540329
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
吉岡 英生 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (40252225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 正彦 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (60301040)
神田 晶申 筑波大学, 数理物質科学研究科(系), 准教授 (30281637)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | グラフェンナノリボン / ジョセフソン接合 / 超伝導近接効果 / 輸送特性 |
Research Abstract |
平成24年度は、グラフェン接合系に関して研究を行った。並行して類似物質である低次元分子性導体やフラーレンポリマーの研究に着手した。 1.ジグザグ端を有するグラフェンナノリボン接合系の輸送特性に対する端の変調の効果を議論した。また、グラフェンと超伝導体の接合を作った際の界面状態に関して理論的考察を行った。 2.グラフェンジョセフソン接合においてグラフェン特有の超伝導近接効果を実現するためには、グラフェン中で電子がバリスティックに伝導すること、グラフェンのフェルミ準位がディラック点近傍にあることが必要である。前者を実現するためには接合を短くすることが有効であるが、短接合では後者の条件が満たされないことがこれまでの我々の研究で明らかとなっている。これはグラフェンと電極金属の仕事関数差によるグラフェンのフェルミレベルピニングが原因であると考え、同一グラフェン上に接合長の異なる接合を作製し、接合が短くなるほど電界効果が弱まることを確認した。フェルミレベルピニングを軽減・除去するためには、界面に障壁を作るのが有効であるが、これは同時に超伝導近接効果を弱める。そこで、グラフェンと仕事関数が近い多層グラフェンを界面に挿入することを考えた。グラフェン成長に用いる金属触媒CVD法を応用し、SiO2/Si基板に置かれたグラフェン上に多層グラフェンを成長する方法を開発した。成長条件を工夫することで、均一な多層グラフェンを得ることに成功した。また、多層グラフェンを挿入した接合、しない接合を比較し、電界効果の増大を確認した。これは短接合でもフェルミ準位をディラック点近傍に調整できることを示している。 3.光電子分光実験によりフラーレンポリマー中の電子状態は相互作用する一次元電子系である朝永‐ラティンジャー液体状態であること、さらにその電子相関効果は凸凹のないカーボンナノチューブよりも強いことを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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