2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540435
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
綱川 秀夫 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (40163852)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 月 / 磁気異常 / ダイナモ |
Research Abstract |
今年度の主な実績は、(1)月磁気異常3成分を月面にマッピングする方法の確立と、(2)スポット状磁気異常のソース磁化方位を求め月ダイナモと月自転軸の再配置を検討したことである。 (1) 月磁気異常3成分マッピング:低高度観測は月面から10-50kmの上空で実施されており、従来は30km高度の磁場に補正し磁気異常図を作成してきた。本研究では、従来の主な方法は境界値問題に帰すことを理論的に示し、新たな境界値として磁場動径成分を導入した。この方法では、月面上の磁場動径成分を逆境界値問題として解くことになる。推測される月磁気異常の波長に比べ観測数・観測間隔は十分に多くはないため、ノイズ、外部磁場の影響が見かけの磁気異常になってしまう。本研究では、観測の連続性に着目して観測磁場の差分を解析すること、また、境界値のノルムに制限を加えることで、ノイズ・外部磁場の影響を抑えることができた。さらに、磁場動径成分から水平2成分を求める方法を考案し、月面上の磁場3成分図を作成した。その結果、これまで磁気異常分布が注目されていなかった地域にも他地域と同様なパターンの磁気異常が存在し、全球的な古月磁場があったことを示唆された。現在これらの成果をまとめ、国際誌へ投稿準備中である。 (2) スポット状磁気異常のソース磁化方位:磁気異常解析の結果、磁気異常の多くは線状構造を持つことがわかってきた。一方、比較的強い磁気異常の中には、スポット状構造を持つものもあり、磁気双極子で良く近似できる。この性質を利用し、スポット状として選別された磁気異常ソースとして磁気双極子を仮定し、ソース磁化方位を求めた。解析結果から、磁極は2つの地域に集中すること、かつ、月磁場は逆転していたことがわかり、古月ダイナモの存在えお支持し月自転軸の再配置を示唆している。この成果は、国際誌論文として投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)