2011 Fiscal Year Annual Research Report
磁気圏擾乱における中緯度電離圏-内部磁気圏電磁結合の役割
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22540461
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
橋本 久美子 吉備国際大学, 国際環境経営学部, 教授 (00389008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 崇 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70358977)
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Keywords | サブストーム / 過遮蔽電場 / 領域2型沿磁力線電流 / 対流電場 / 領域1型沿磁力線電流 / 赤道カウンタージェット電流 |
Research Abstract |
本研究課題では中緯度電離圏がエネルギー伝送路としての役割を持つという仮説のもとに、中緯度の電離圏電流および電場変動が磁気嵐やサブストームなどの擾乱現象において果たす役割を明らかにすることを目的とする。昨年度までにサブストーム爆発相に中低緯度で、対流電場の過遮蔽が発生することを事例・統計解析の両面から示し、論文を今年度9月に米国地球物理学会誌に発表した。サブストーム時には夜側のカレントウェッジだけでなく、昼側サブオーロラ帯の領域2型沿磁力線電流系(R2-FAC)および、昼側赤道電離圏まで広がる電流系も同時に発達することを示した。Tanaka et al.(2010)のグローバル磁気圏MHDシミュレーションが示したサブストーム電流系とよく一致することが注目される。夜側のカレントウェッジと昼側のR2-FACのどちらが先に発達するかという点が、爆発相開始機構における中低緯度電離圏電場の役割を知るために非常に重要である。そこでこれら2つの電流系発達の時間的関係を精度良く調べるために、GEOTAIL衛星で観測されたオーロラブレークアップに伴うAKRと昼側赤道のカウンタージェット電流(CEJ)の比較を試みた。まずは魚住禎司研究員(九州大学)らがすでにオーロラブレークアップに伴うAKRと同定した事例を解析した。ほとんどの事例では擾乱が小さく、地上の地磁気で明瞭なCEJをとらえることが難しかったが、1事例について高高度AKRが発達する直前にCEJが増大したことが確認された。この結果を検証するために今後さらに事例を増やす必要がある。一方、磁気嵐中のサブストームに伴う過遮蔽の効果について、2006年12月14-15日に発生した磁気嵐のデータ解析を行った。主相に発生したサブストームにより、赤道で過遮蔽電場が卓越することが確認された。この過遮蔽電場が磁気圏擾乱に与える影響についてさらに研究を進めて行く。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の代表者は、2011年度に所属大学の異動があり、これに伴い新規に担当科目数が倍増したため、当初計画していた以上に教育に費やす時間の比重を高くせざるを得なかった。しかしながら、研究成果を米国地球物理学会学会誌に発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
地上の磁力計及びSuperDARNレーダーのネットワーク観測で観測された地磁気擾乱時における中低緯度電離圏電場と、電離圏観測衛星ROCSATの電場データとの比較を行なってきたが、解析事例が十分な数とはいえない。しかし低調であった太陽活動度が極大期に向けこの数年で活発化しているため、米国のC/NOFS衛星による最近の電場データから事例を多く抽出し解析を進める。地磁気活動度により解析データの期間を選択し効率を高める。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Pi2の極赤道電流系2011
Author(s)
菊池崇,橋本久美子,西村幸敏,新堀淳樹,長妻努,門倉昭,佐藤夏雄
Organizer
日本惑星科学連合大会
Place of Presentation
幕張メッセ(千葉県)
Year and Date
2011-05-27