2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22550050
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
分島 亮 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (10292046)
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Keywords | 金属リ・チテルライド / 電子物性 / 電気伝導性 / 金属的挙動 |
Research Abstract |
擬一次元構造を有する3元系金属リッチテルライドA-Ta-Te(A=磁性イオン)の固相反応で合成を試みた。このような組成をもつ化合物としてはLn_xNb_6Te_8(Ln=希土類元素)などが知られているが、得られた試料についてX線回折により生成相を調べたところ、今回合成を行った条件下では、類似の組成をもつ化合物が主相として得られた。しかしながら、副相として希土類オキシテルライドなども生成していた。目的相の結晶構造はニオブにテルライドイオンが6配位し、NbTe_6八面体が面共有することで、一次元鎖を形成している。この一次元ネットワーク間に、一次元間隙が存在しており、Aイオンはこの間隙中に存在している。 予備実験として、電気伝導性、磁化、比熱測定を行い、この化合物が金属的でPauli常磁性を示すことを明らかにするとともに、さらに、Rietveld解析によって得られた結晶構造パラメータを用いて電子構造計算も行った。上記の物性測定の結果について評価したところ、希土類イオンがランタンの場合には、5Kで超伝導転移を示し、また、電子構造計算と比熱測定の比較から伝導電子間に弱い電子-電子相互作用が働いていることが明らかにした。 さらに、電子構造計算より求まった電荷密度分布から、ニオブ-テルル間、ニオブ-ニオブの結合性について評価したところ、一次元鎖を形成しているNbTe_6八面体間には、Nb-Nbに金属-金属結合が存在していることを明らかにした。現在、合成条件を変更することで、より純良な試料の作成を試みているところである。
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