2011 Fiscal Year Annual Research Report
ビイミダゾール配位ハーフランタン型複核錯体モジュールによる一次元鎖構造制御
Project/Area Number |
22550058
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
海老原 昌弘 岐阜大学, 工学部, 教授 (80201961)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 一広 岐阜大学, 工学部, 助教 (60386638)
|
Keywords | 複核錯体 / 一次元鎖 / ロジウム / 白金 / 水素結合 |
Research Abstract |
本研究では,ビイミダゾールを配位子とするハーフランタン型複核錯体モジュールとする一次元鎖の構築を目的に研究を行っている.平成23年度は,前年度に合成したロジウム錯体モジュールの改良とその性質の調査,および,一次元化の予備実験を行った. 1.ロジウム錯体 錯体[Rh_2(H_2biim)_2(RCO_2)_2Cl_2](R=Pr,Bu)に関して,合成の途中で加えるHCl/MeOHを,NaPF_6に変更し,これにピリジン(py),ピコリン(Mepy),アセトニトリル等を加えることにより,軸位に中性配位子が結合した[Rh_2(H_2biim)_2(RCO_2)_2L_2](PF_6)_2(L=MeCN, py,Mepy)を合成した,これらは,まだ良好な単結晶は得られていないが,^1H NMRにより生成を確認している.これらをKOHと反応させると,ほとんどのもので難溶性の化合物が得られた.[Rh_2(H_2biim)_2(BuCO_2)_2(Mepy)_2]^<2+>に関してのみ比較的溶解性のあるものが得られ,^1H NMRより脱プロトンした[Rh_2(H_2biim)_2(BuCO_2)_2(Mepy)_2]と考えられた.また,これらの酸化還元電位の測定から,還元は,<-1.0V vs Fc^+/Fcで起こるため,還元種を安定に単離することは困難と考えられる.錯体の電子状態に関してGaussian03による計算を行ったが,配位子間が大きく開いてしまうなど,実際の構造とは大きく異なるため検討が必要である. 2.白金錯体 アミダートを配位子とする錯体,白金(III)複核錯体を原料とした合成など今年度試みた方法に関しても,すべてで不溶な沈殿が得られ,白金錯体に関してはビイミダゾール配位複核錯体の合成は困難と考えた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生成する化合物のほとんどが溶解度が悪く,構造決定等に手間取ったり,方針転換の必用が生じているため,予定より遅れが出ている.
|
Strategy for Future Research Activity |
ロジウム錯体については,現在の計画をさらに進めていく.白金錯体に関する溶解度の問題点を克服することが困難と考えられるため,イリジウムやルテニウムなどのほかの金属イオンの錯体について合成を行う.
|