2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22550126
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山田 康治 日本大学, 生産工学部, 教授 (10166704)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 示差熱分析 / 固体NMR / イオン伝導性 / ガラス転移 / 相転移 / 分子運動 |
Research Abstract |
高分子電解質にイオン性液体をブレンドしたプロトン伝導性試料にDTA・NMR同時測定を応用した。一般にDTAやNMRなどの単独の測定では、固体の中で起こっている現象をあいまいさなしに帰属することは困難なことが多い。しかし、DTA・NMRの同時測定することで、ガラス転移、結晶化、融点等の現象が確実にあいまいさなしに帰属できた。さらに、1H NMRの尖鋭化現象から分子やイオン拡散の相関時間を見積もり、ガラス転移温度との関係を考察できた。 一方、装置の応用範囲を広げるため、7Li NMRに対しても同時測定が可能なプローブを作製し、高分子電解質にイオン性液体リチウム塩を溶解させた試料を測定した。プロトン伝導性試料と同様に、ガラス転移、結晶化と融点が観測された。この試料ではガラス転移温度の20~30K高温側で7Li NMRの尖鋭化が観測できた。尖鋭化現象から拡散の相関周波数(1/相関時間)を見積もった。それによるとこの試料では拡散の相関周波数が2000~5000Hz程度に到達すると、ガラス転移が誘発されていることが明らかとなった。 また、LiCl等の無機塩水溶液を調整し、塩の濃度の関数としてガラス転移、結晶化や融点、過冷却現象を観察した。その結果、飽和溶液に対して約50%濃度の水溶液では結晶化せず、ガラス転移のみ示した。ガラス性の固体状態で高いプロトンやリチウムイオン導電率を示すのものと考えられ、今後の展開に期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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