2011 Fiscal Year Annual Research Report
高機能な二酸化チタン/粘土鉱物複合光触媒材料の開発
Project/Area Number |
22550181
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
陶山 容子 島根大学, 総合理工学部, 教授 (70091361)
|
Keywords | 光触媒 / 二酸化チタン / ハイブリッド材料 / 粘土鉱物 / 環境材料 |
Research Abstract |
セピオライト基板の作製条件を検討し、良好な基板が作製できた。繊維長の異なる2種のセピオライトを3:1の重量比に混合し、蒸留水を加えよく捏ね、水分を均一にするために放置し原料を調整した。これをセラローラーを用いて厚さ約5mmの平板に加工した。これを所定の大きさに切断し約二週間自然乾燥した。次いで、電気炉を用いて600℃で1時間熱処理を行った。作製したセピオライト基板のX線回折では、セピオライトのピークの他にCaCO_3,SiO_2のピークが認められた。750℃以上の加熱ではセピオライトは分解してエンスタタイトを生成するので、600℃での熱処理が適切であった。 セピオライト基板に0.05~0.2wt%のTiO_2ゾルを含浸させ、90℃で一晩乾燥したのち、600℃で1時間熱処理を行い、TiO_2/セピオライト複合材を作製した。X線回折では、この複合材にはアナターゼ型TiO_2のピークが認められ、SEM観察でもセピオライト基板上にTiO_2が担持されていることが分かった。一方、表面が平滑で細孔などのないガラス基板上に同様にしてTiO_2ゾルを担持させ、TiO_2/ガラス複合材を作製した。 TiO_2/セピオライト複例合材を用いて、液相でのメチレンブルーやメチルオレンジなどの色素の光触媒分解あるいは気相でのNOxの光触媒分解を調べ光触媒特性の評価を行った。紫外線照射下で、いずれも高い分解能を示し、最適条件下では分解率は90%以上であった。また、本研究で作製したセピオライト基板はNOxに対する吸着能はないが、単身で光触媒分解能をもつ可能性を示した。 TiO_2,/セピオライト複合材の光触媒分解特性の結果と前年度に行ったTiO_2ゾルから調製したコロイド結晶状TiO_2の光触媒能との比較検討を行った。TiO_2/ガラス複合材についても光触媒特性の評価を継続中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度および23年度の研究実施計画に記載した(1)コロイド結晶状二酸化チタンの調整と評価、(2)セピオライトの成形体作製、(3)二酸化チタンとセピオライトとの複合化-1),2)、については達成した。(3)-3):複合材の光触媒活性評価についても23年度に計画した色素およびNOxの分解まで達成し、優れたあるいは良好な光触媒特性が明らかとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度の平成24年度には、(4)複合光触媒材料の高機能・高効率化と環境浄化への応用の検討を計画している。そのため、有害物質の分解能のモデルとなる有機酸の光触媒分解を調べることが必要と考えられるので、これを測定したのち、本複合材と他の2,3の光触媒材料との比較を行い材料設計の指針を得る。また、光源として、従来のブラックライトの他に新たにLEDライトの利用とその効果を検討する。最後に、水浄化装置のモデル設計を試みる。
|
Research Products
(4 results)