2012 Fiscal Year Annual Research Report
安定したパラメータ同定解析手法の構築に関する基礎的研究
Project/Area Number |
22560062
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
大上 俊之 信州大学, 工学部, 教授 (80152057)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | シミュレーション工学 / 逆解析 / パラメータ同定 |
Research Abstract |
本研究は,観測値から非均質場の弾性材料,不連続性材料,およびクリープ等に見られる時間依存性を示す材料の物性値を逆に推定するパラメータ同定解析に離散値系ウェーブレット変換の特性の応用を試みるものである.ウェーブレット変換を導入した同定解析の定式化を行い,導出した理論をもとに数値解析プログラムを開発して,種々の数値シミュレーションを通して安定かつ効率的な逆解析手法を開発することを目的とする.本年度は前年度の研究成果を踏まえて,時間依存性材料の同定解析へ理論を拡張し,提案手法の有効性について基礎的検討を行った. 1.時間依存性を示す問題として材料を一般化Maxwellモデルでモデル化した粘弾性問題とし,Laplace 変換を利用した弾性―粘弾性の対応原理に立脚した解析に基づいて同定問題の定式化を行った. 2.導出した理論に基づき数値解析用のプログラムを開発し,数値実験により提案手法の有効性を確認した. 3.線形粘弾性地山の斜面問題を対象として観測変位値から逆に材料パラメータを推定する同定計算の結果,高次の基底関数を用いる場合は圧縮を行わなくても精度良く同定できるが,低次の基底関数を用いる場合は圧縮を行う必要があること,ラプラス変換パラメータの選択方法については,選択するラプラス変換パラメータの個数はあまり計算精度に影響がなく,ラプラス像空間での観測値の変化が大きい範囲でパラメータを選択することが計算上重要であることが判明した. 4.ウェーブレット変換による方法と最小二乗法に基づく同定解析手法の比較を行った結果,ウェーブレット変換を用いる方が精度良い同定値が得られ,本手法が粘弾性材料のパラメータ同定解析の一手法となり得ることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)