2011 Fiscal Year Annual Research Report
高延性接着剤の繰返し粘塑性挙動のモデル化と接着接合金属板プレス成形解析への適用
Project/Area Number |
22560129
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Research Institution | Hiroshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
瀧口 三千弘 広島商船高等専門学校, 商船学科, 教授 (10163346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 哲哉 広島商船高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (20182769)
舟木 弥夫 広島商船高等専門学校, 一般教科, 教授 (90209148)
徳田 太郎 広島商船高等専門学校, 商船学科, 准教授 (20425143)
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Keywords | 成形加工 / 接着接合板 / 繰返し粘塑性 / 構成式 / 速度・温度依存性 |
Research Abstract |
平成23年度の研究の、主な成果は以下のとおりである。 1.接着板の曲げ・曲げ戻し実験 昨年度の研究により得られた接着剤の繰返し粘塑性構成式の妥当性を検証するために、引張試験機を用いた接着板の曲げ・曲げ戻し実験装置を作成し実験を行った。その結果、次のことがわかった。(1)作成した実験装置を用いて、接着層の曲げ・曲げ戻し変形挙動を観察できた。(2)被着体の強度特性が接着層の変形挙動に大きく関係する。 2.汎用有限要素解析プログラムへの構成式の組込み 昨年度の研究により得られた接着剤構成式のMSC.Marc 2010のユーザーサブルーチンへの組込みを行っているが、まだ完全な組込みができていない。(次年度も継続して行う) 3.接着板の曲げ・曲げ戻し解析 MSC.Marc 2010への接着剤の繰返し粘塑性構成式の組込みが完了していないことから、既に構築済みの温度・速度依存特性を考慮した多軸粘塑性構成式を、MSC.Marc 2010の強度特性入力用のTable機能を用いて使用し解析を行った。その結果、解析精度には検討の余地があるものの、曲げ・曲げ戻し変形挙動のシミュレーションができた。 4.接着板のプレス成形加工(その1) 接着板のプレス成形加工その1として、異種材料接着板のV曲げ加工(自由曲げ)に及ぼす速度と温度の影響について、実験とMSC.Marc 2010を用いたFEM解析(接着剤の強度特性は、上記3の場合と同じ)により調べた。その結果、次のことがわかった。(1)異種材料接着板のV曲げ加工も、低温環境かつ高速で行うことが望ましい。(2)曲げの内側に引張強さの大きい材料、外側に引張強さの小さい材料を用いると、その逆の組み合わせで曲げた場合に比べて接着板に生じるカモメ折れやせん断ひずみを小さく抑えることができる。ただし、その違いは僅かである。 (3)接着層のずれ変形が大きくなる程、実験結果と解析結果の違いが大きくなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の研究により得られた接着剤の繰返し粘塑性構成式のMSC.Marc 2010のユーザーサブルーチンへの組込みを行っているが、まだ完全な組込みができていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の課題を踏まえて、本年度の研究は次のように進めていく。 1.まず、平成22年度の研究により得られた接着剤の繰返し粘塑性構成式を、汎用有限要素解析プログラムMSC.Marc 2010のユーザーサブルーチンへ早急に組込む。 2.接着板の繰返し曲げ・曲げ戻し実験及び解析を行い、構成式の妥当性を検証する。 3.接着板のプレス成形加工実験及び解析を行い、高精度な製品形状予測の確立を目指す。 4.研究の総括を行う。
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Research Products
(2 results)