2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560243
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
加藤 秀雄 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80009711)
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Keywords | 仮想現実感 / ものづくり / 技能習得 / 不快感 |
Research Abstract |
力補償式6軸アームとパソコンのみによる手アーク溶接簡易仮想現実感装置の全面的改良を行った.また,多数の被験者による仮想環境訓練実験と実溶接実験を行い,仮想環境における技能と現実環境における技能の関係を調査した.さらに,円筒状工作物の芯だし作業について仮想現実感装置の改良を行い,仮想環境と現実環境における技能の関係を調査した. 具体的には,簡易仮想現実感装置の力補償機構のプログラムを全面的に書換え,力検出器のノイズやドリフトに対して常に一定の力補償機能を発揮できるように改良した.また,従来,ほぼ2次元的であったビードのシミュレーションモデルを3次元に拡張するとともに,メッシュサイズを細かくし,視覚的な現実感を高めた.さらに,それを用いて被験者が作業(訓練)を行っている間の作業情報をすべて収集するように改良した.ついで,多くの被験者による作業実験を行い,作業情報の内で技能習熟に関係すると思われる情報を見出した.また,被験者に実溶接作業も行わせ,実溶接結果の外観評価値と前述の技能習熟に関係する情報との関係を検討した.その結果,両者間には高い相関関係が見いだされ,簡易仮想現実感装置による技能訓練が実溶接作業の訓練になり得ることを明らかにした. 芯だし作業については,力学モデルの剛性や摩擦特性等を実環境と一致させるように精密な推定を行った.これにより仮想環境と現実環境の力学的特性をほぼ一致させることができた.ついで,多くの被験者に本仮想現実感装置による作業実験および実際の旋盤による芯出し作業を行わせ,両者におけるハンマ打撃回数や作業時間等の間の関係を検討した.その結果,両者の間には相関関係が認められ,本装置による芯出し技能訓練が実際の作業の技能訓練になり得ることを明らかにした. 今後は,不適切な作業をした場合,不快感を与えることによって教示するシステムを構築し,その有効性を検討する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
皮膚振動と音による不快感の発生装置は既に開発を終え,それらによる不快感に対する基礎的データの収集を終えている.また,中ぐり旋盤作業,旋盤の芯出し作業および手アーク溶接の仮想現実感装置の開発,改良を終えている.ただし,不快感の発生装置と仮想現実感装置の同期をとることは未だ行えていない.
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Strategy for Future Research Activity |
研究を進める段階で,不快感の発生装置と仮想現実感装置を正確に同期するのは必ずしも容易ではないことが明らかになった.人による簡易的な同期方法も検討し,遅れが微小と判断される場合には,それを用いた作業実験を行い,所期の目的を達成する.
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