2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境振動評価のための戸建て家屋動特性の同定とその推定法の構築
Project/Area Number |
22560475
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
松本 泰尚 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (90322023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 宏樹 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (50134474)
国松 直 産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 主任研究員 (70356921)
平尾 善裕 小林理学研究所, 騒音振動研究室, 研究員 (40208806)
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Keywords | 環境振動 / 振動評価 / 家屋振動 / 振動規制 |
Research Abstract |
都市地域を中心に近年増加傾向にある環境振動問題において,法律で規定された排出規制の考え方に基づく振動評価法の限界が指摘されている.本研究は,現行の法律の枠組みの中で受振側での振動評価を可能にするための課題である,戸建て家屋の動特性の解明とその実用的な推定法の構築を目的とする.具体的には,非線形性を有する家屋の動特性について,環境振動問題で対象とする振幅範囲での挙動に着目し,実測結果からの高精度の動特性同定と,間取り図や実物の目視から容易に得られる家屋構造の情報に甚づく動特性の推定法の構築を目指す.研究期間の初年度であった平成22年度は,戸建て家屋の常時微動計測結果に基づくモード解析により,当該家屋の固有振動特性を解明し,その結果を踏まえ,集中質量系モデルを用いた固有振動数推定法について検討した.これにより,戸建て住宅に対して一般的に得ることのできる間取り図等の情報のみに基づき,家屋構造の固有振動数を推定する方法の枠組みを構築することができた.構築した方法による固有振動数の推定結果については,上記家屋のみならず,複数の戸建て家屋を対象として,その精度を検証した.その結果,環境振動の評価を対象とする場合には,ある程度の精度を持つと言える推定結果が得られていたことが分かったが,一方で,さらに推定精度の向上を図る方策を検討する必要性も明らかとなった.このことを次年度以降の課題とする.なお,上記の本年度の研究成果,および研究期間内の成果を統合し,次年度以降に学術論文や学会での研究発表の形で公表する予定である.
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