2011 Fiscal Year Annual Research Report
環境振動評価のための戸建て家屋動特性の同定とその推定法の構築
Project/Area Number |
22560475
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
松本 泰尚 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (90322023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 宏樹 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (50134474)
国松 直 産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 主任研究員 (70356921)
平尾 善裕 小林理学研究所, 騒音振動研究室, 研究員 (40208806)
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Keywords | 環境振動 / 振動評価 / 家屋振動 / 振動規制 |
Research Abstract |
都市地域を中心に近年増加傾向にある環境振動問題において,法律で規定された排出規制の考え方に基づく振動評価法の限界が指摘されている.本研究は,現行の法律の枠組みの中で受振側での振動評価を可能にするための課題である,戸建て家屋の動特性の解明とその実用的な推定法の構集を目的とする.平成23年度は,特に戸建て家屋の動特性に関するさらなる知見を得るため,複数の戸建て家屋における振動測定を実施した.現行の環境振動評価において考慮されていない水平方向の振動に対するデータを得ることを測定の主目的とし,当該家屋の水平方向低次振動モードの固有振動数と減衰を同定するため,家屋基礎および家屋2階を含む複数の測定点における直交3方向の振動を測定した.測定対象とした家屋は,道路や鉄道沿線に位置した実際に居住者が居る家屋であり,居住者の協力を得て測定を実施した.得られたデータは,常時微動時,および自動車や列車通過時のものであり,このデータを用いて,一般的な環境振動が対象とする振動の大きさの範囲内における,家屋動特性の非線形性について検討した.その結果,環境振動で問題となる振動の大きさの範囲内では,顕著な固有振動数の変化は認められなかったものの,減衰については同定精度の問題もあり明確な結論は得られていないため,異なる解析法を適用するなどして引き続き検討する.なお,上記の本年度の研究成果,および研究期間内の成果を統合し,次年度以降に学術論文や学会での研究発表の形で公表する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
戸建て家屋の動特性の解明とその実用的な推定法の構築という目的に対し,現在までに,戸建て家屋の動特性解明に資するデータとそれに基づく知見が得られており,また推定法の枠組みについても検討済みである.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに得られた上記の結果を総合し,最終年度である平成24年度に,現時点で構築し得る振動推定法を提案するための検討を行う.推定法は,実用的なものとするために簡易であることを目指している一方で,その分,推定精度に限界が出ることが予想されるため,推定法の提案の際には,その推定精度に関する情報も合わせて提示する形とする.
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