2010 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物処分場の地震リスク評価と性能設計に関する研究
Project/Area Number |
22560506
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
小竹 望 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 教授 (60512704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嘉門 雅史 香川高等専門学校, 校長 (40026331)
土居 正信 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 教授 (10110131)
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Keywords | 地震リスク / 廃棄物処分場 |
Research Abstract |
本研究は、廃棄物処分場の地震リスク評価を適切に行う方法の開発を目的としている。平成22年度は,3カ年計画の初年度として、遮水工の材料特性に関するアプローチを主体とする研究を実施した。通常の廃棄物処分場で良く用いられている遮水シートと不織布などジオシンセティックスから構成される多層構造を対象とし、それら構成材料間の動的境界面せん断特性の把握を目的として,振動台を用いたブロック滑動実験を実施した。 水平方向加速度を調和波で作用させた一連の実験結果から、以下のことが確認された。すなわち、1)遮水シートと不織布の動的境界面特性は、動的摩擦係数が静的摩擦係数とほぼ等しい。2)不織布と土質材料の境界面せん断特性は、静的挙動ではポストピークでの軟化特性が特徴であるが、動的挙動ではせん断抵抗がピークになる加速度で滑動を開始し、以降は残留せん断強度を発揮する状態で振動することが明らかになった。また、不織布に関して長繊維不織布と短繊維不織布の2種を用いた実験をそれぞれ行った。その結果、土質材料として用いた礫材と不織布の繊維との噛み合わせが影響し、繰り返しせん断作用後の遮水シートの健全性に問題が生じ得ることが確認できた。 本研究で得られた境界面動的特性は、従来不明確であったジオシンセティックス材料の動的特性を明瞭に示したものである。平成23年度に廃棄物処分場全体を対象とする地震応答解析を実施する計画であるが、その際の境界面モデルとして組み込むことによって、より精度の高い地震時挙動の再現が可能となる。また、振動台模型実験での構造モデル構築において、材料特性に関する重要な基本情報として有用である。これらの成果を総合し、本研究の目的である性能設計に向けた地震リスク評価を引き続き行う計画である。
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