2012 Fiscal Year Annual Research Report
波動干渉法による実建物の耐震安全性診断技術の開発に関する研究
Project/Area Number |
22560560
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松島 信一 京都大学, 防災研究所, 准教授 (30393565)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川瀬 博 京都大学, 防災研究所, 教授 (30311856)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 波動干渉法 / 実建物 / 耐震安全性診断 / IT計測技術 / モデルパラメータ |
Research Abstract |
本研究は、実建物の耐震安全性診断のために建物のモデルパラメータを精度よく同定する方法を開発することを目的とした。その目的を達成するため、現有の地震計を有効活用してIT計測技術を用いた収録システムを新たに構築し、観測された波形から建物のモデルパラメータ(質量、剛性、減衰)を逆同定することにより、建物の正確な耐震安全性診断が出来るシステムの開発に向けた研究を主眼として行う計画とした。 最終年度の平成24年度は実建物の耐震安全性診断技術の開発に向け、これまでに実大構造物に設置した計測システムを利用して得られた計測データを用い、以下の研究成果が得られた。 単純な実大鉄骨骨組み架構に設置した新収録システムにより長期間・多地点において同時に安定的にデータを収録した。この観測を行うことにより、収録データの時間変化について把握することができた。その結果、上階の各階と1階のフーリエスペクトル比は季節や日夜の気温および降雨による影響少ない一方、風による影響が大きいことがわかった。 フーリエスペクトル比から読み取れる固有振動数からは質量と剛性の比しか得られるないため、実際の質量と剛性を得るために各階ごとに付加質量を設置する計測を一定期間継続して行い、付加質量を設置した際の一次と二次の固有振動数の変化を説明できる質量と剛性を同定した。その結果、実際の建物の計測から得られた値と比べ階によっては剛性が約50%、質量が約65%であることがわかった。 一方、東北地方太平洋沖地震の際に大阪湾岸の超高層建物で観測された地震動について建物応答シミュレーションにより、実建物の減衰定数についての検討をした結果、減衰定数が設計値よりもかなり小さかったことを確認した。 今後は、これまでに蓄積されてきた計測データを用いて、波動干渉法により抽出される2地点間のグリーン関数の精度の確認をした上で、モデルパラメータの同定手法を確立する。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)