2012 Fiscal Year Annual Research Report
外断熱の特性を生かす自然エネルギー利用に関する研究
Project/Area Number |
22560586
|
Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 憲三 北海道工業大学, 空間創造学部, 教授 (70002235)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 自然エネルギー利用 / 外断熱 / 高窓換気 / 土間 / 日射 / 日除け / 熱対流 |
Research Abstract |
近年、住宅の断熱基準の強化や灯油価格の上昇などから、住宅の断熱性能や機密性能は向上している。しかし、高断熱・高気密化した住宅では、夏に窓を閉め切ってしまうと、かえって日射熱や調理、照明・電気機器、人体からの発熱が部屋にこもり、冷暖房設備に頼る暮らしになりかねない。断熱と併せて、夏には積極的に開放して通風・排熱もできる住宅づくりが重要である。その最も賢く、伝統的な民家などで応用されてきた断熱建物の対応策は、代表的な自然エネルギー利用でもある「上方開放型の熱対流換気」である。これは、室内で温められた空気は拡散するよりもむしろ鋭い上昇気流となって天井面に達して停滞するのを、室最上部で外に開放するものである。 24年度の研究では高窓換気設計のための気流観測と自然換気計算ソフトの作成を行った。熱気の温度が外気温よりも高ければ熱気は外に出て、代わりに外気が室内に入ってきて下降気流になるが、周りの気温が下降気流の温度よりも低いところまでは下降することができないため、外気との等温面より上部の空間で対流が起こる。さらに外気温が低下して室温以下になると、流入外気は床面まで下降して室内の温度を入れ替える全自動の冷却換気となる。この熱対流換気用の高窓は、雨除けのため内窓倒し窓や横滑り出し窓にする必要あり、有効開口面積は開放窓の20~30%減少し、開口面積は床面積の2~3%程度が目安となる。また温められた空気が天井面に達して停滞するのを、外に開放することから、水平天井よりも斜め天井が好ましい。 「上方開放型の熱田対流換気」で冷房なしのブロック造住宅で温度測定を行い、その冷却効果が日中まで引き継がれ、夜間の気温が下がる北海道では、日除け、外断熱や基礎断熱土間床の蓄冷、高窓換気だけで冷房装置は要らないことを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|