2011 Fiscal Year Annual Research Report
住宅供給システムが住宅の社会的耐用年数の長期化に及ぼす影響
Project/Area Number |
22560610
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
堀田 祐三子 和歌山大学, 観光学部, 准教授 (40346250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 良治 和歌山大学, 観光学部, 教授 (00135831)
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Keywords | 社会的耐用年数 / 既存住宅 / 都市計画規制 / 住宅供給 / イギリス |
Research Abstract |
当該年度は住宅市場の動向を、とくに住宅需給関係に焦点をあてて、資料分析を行った。 新規住宅建設は、1990年代末から2000年代半ばまで低い水準で推移していたが、2004年から住宅難の影響を反映して若干増加傾向をみせたが、2008年以降ふたたび減少している(イングランド)。2010年については10万戸程度の新規供給(完成)である。住宅取引についても、2007年から09年にかけて大幅に減り、09年から11年にかけて若干回復をみせたが、2000年代前半の水準には及ばない。新規建設も取引量も非常に不活発な状況にある。住宅価格は2000年代半ばまでの高騰期と比較すれば安定しているが、以前一次取得層の住宅難は継続している。 イギリスの住宅供給に関連する制度インフラについては、日本と異なり、イギリスでは住宅不足が深刻な状況下で、新規建設が停滞している状況にあるため、供給制限よりも供給促進が課題となっている。こうした状況を踏まえ、イングランドのヨーク市の住宅事情を調査した。2001年センサスデータでは、世帯数が76920。空家が2130戸(空家率2.68%)。持家世帯が73.2%と非常に高く、社会住宅が15。1%(LA:10.5%、HA:4.6%)、民間賃貸住宅が10%である。2008年以降年間約1200~1000世帯の増加が予測されており、2026年までに19600世帯増が見込まれている。これに対して、市は広域空間戦略(Regional Space Strategy)において15300戸の追加的住宅供給を目標としており、基本的にはブラウンフィールド、つまり既成市街地での開発が想定されている。住宅ストックとフローの数値から、ストックの残存率と住宅の平均寿命を算出した。1998年からの10年間に新規建設された住宅は8485戸、年平均848.5戸。残存率は0.971、住宅平均寿命は150年であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヨーク市を事例として住宅寿命の近年の傾向を把握することができた。併せて、都市空間戦略の政策方針との関係についても一定のデータ収集ができ、分析を始めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終のとりまとめを行う年度であり、これまで蓄積してきたデータや分析の結果をアウトプットしていくことを念頭に作業を進める。
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Research Products
(1 results)