2010 Fiscal Year Annual Research Report
わが国の幕末から戦前期における「近代和風住宅」の設計手法に関する研究
Project/Area Number |
22560648
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
内田 青藏 神奈川大学, 工学部, 教授 (30277686)
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Keywords | 近代和風住宅 / 設計寸法 / 設計手法 / 京間 / 中京間 / 田舎間 / 建築家 / 近代和風建築 |
Research Abstract |
●平成22年度の研究概要 本研究の遂行のためには、各住宅の設計寸法の確認作業が不可欠である。そのためには調査対象となる建物の寸法の記入された図面の入手、あるいは、建物の実測が必要となる。こうしたことを踏まえ、研究全体の計画では、以下の史料を基にした研究を予定していた。即ち、研究の基礎段階として、異なった寸法を併用する設計手法による住宅例の事例収集のための基本作業として、以下の2つの資料の収集を予定していた。 A:現清水建設株式会社所が戦前期に手掛けた住宅作品で、昭和10年及び昭和14年に刊行された『住宅建築図集』に収録されている住宅建築361件の図面 B:各都道府県刊行の『近代和風建築』調査報告書に収録されている近代和風住宅に関するデータこうした作業とともに、異なった寸法を併用する設計手法が近代特有のものなのかどうかの確認のための作業として以下の作業を想定していた。 C:修理工事報告書を基に重要文化財指定の近世の武家屋敷並びに上層民家の設計寸法の確認 そして、最終段階として異なる寸法を併用する設計手法と近代和風住宅の関係性を解明するため、D:異なった寸法を併用する住宅建築例の整理・分析、を想定している。 平成22年度では、上記の予定を基にAに関する資料としておよそ9000枚の図面の収集を行った。Bに関しては報告書の収集中である。また、近代和風住宅の代表例として知られる事例として、佐賀県の高取邸、山口県の毛利邸・長府毛利邸、東京の安田邸などの簡単な実測を兼ねた実地調査を行った。
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